イラン政府は米国と合意した
2週間の停戦
で米軍による空爆が一時停止している状況を受け、2月28日に殺害された前最高指導者
アリ・ハメネイ師の追悼行事
をイラン全土で実施した。
ハメネイ師の死去とその後の戦争は、同国の指導体制の再編を加速させた。
独裁政治でイランの石油利権を欧米の石油会社に渡し、莫大な資金を手に入れイランで権力を握い、反対派を秘密警察を使って暗殺等で無力化していた
パーレビ国王
の政治体制が民衆の怒りを買い、モノが高騰し商人等が生活できなくなったことでストライキを起こし大混乱となった状況を利用した宗教指導者のホメイニ氏らが利用した
イラン革命
により倒された。
その後、イラン軍の上昇部を処刑し、解体等を繰り返し規模を縮小するなかで、宗教組織のか武器感として強大な軍事組織に作り直した
イスラム革命防衛隊(IRGC)
は経済や社会の各分野で支配的地位を固め、監視諜報活動などでイラン国民の反発の芽を潰してきた。
IRGCおよびハメネイ師の後継者である息子
モジタバ・ハメネイ師
に近い政治家が要職に就いたことで、IRGCの影響力は一段と強まっている。
米国とイランの代表団は11日にパキスタンの首都イスラマバードで直接協議を行う。
パキスタン当局は、イラン代表団は10日夜にイスラマバードに到着する予定だとしている。
今回の協議は、イランと米国の二国関係に新たな力学をもたらすとみられる。
イランは海上輸送の要衝であるホルムズ海峡を事実上「武器」として利用した。
それを材料に国際社会に圧力をかけ、米国を交渉の場に引き出した。
幼稚ともいえる沸騰型の劇場政治家でTACOとも揶揄される
トランプの戦略
ではこれまで同様に、米国政府が持っていた有利な交渉カードをイラン戦争を始めたことで手放してしまい、逆にイランが得たホルムズ海峡の支配権というカードをよ与える愚かさだ。
米軍の戦略を大統領が叩き潰し、戦略の拡充や兵力の集中化も中途半端で戦闘を行ったのは今回ばかりではない。
イラク戦争でも、米軍部から攻撃を始めないようアドバイスを受けながら始めたことで、莫大な費用と人的被害を米国が受けている。
小規模な軍事作戦の成功体験が大規模な戦争を成功できるという思い上がりを作り出したとも言える。
ベネズエラのマロウド大統領の身柄確保の軍事作戦はパナマのノリエガ将軍の身柄確保と同じ戦術だが、規模が全く異なることもあるが、大義が麻薬絡みだが、裏にはパナマ運河の権益や石油利権があった。
今回のイラン戦争でも、大義は核問題を旗頭にしているが、裏には石油利権があることはトランプの発言の端々に出てしまっている。
イデオロギーの対立でもあるベトナム戦争も裏にはカムラン湾の石油利権を米国が握りたいとの思惑があったとも言われている。
今回のイラン戦争についての停戦協議等については、イラン代表団は、IRGC出身のガリバフ国会議長が率いる見通しだ。
同氏は戦時下の同国指導体制で主要人物として台頭している。
米側はバンス副大統領が率いる。
イランのアラグチ外相がウィトコフ米特使やトランプ大統領の娘婿クシュナー氏と間接協議を重ねてきた従来の協議とは、枠組みが異なる。
つまりは、前回までの協議をしても、イスラエル軍による暗殺攻撃を行った経緯があり、米国の信頼性は地に落ちてしまっているためだ。
トランプ米大統領が今週初めに発表した停戦合意の対象に、イスラエルの
対ヒズボラ軍事作戦
が含まれているのかどうかも判然としていない。
つまりはトランプが停戦協議の前にネタニアフ外電話会談を行ったが、説得できなかったということにもなり、取り敢えず米国内で高まってリウトランプへの圧力を弱めたい一心で中途半端な妥協をイスラエルと行ったとも言える。

