中国国防省報道官は1月24日、中央軍事委の
と連合参謀部の
劉振立参謀長(中央軍事委員)
について、重大な規律・法律違反の疑いで調査していると発表した。
汚職容疑で拘束したとみられる。
前者は習氏の
西北人脈に連なる軍人
で、「習1強」確立に盟友として大きく貢献した実力者だ。
習氏と同様、「太子党」「紅二代」と呼ばれる高級幹部子弟の典型だ。
父親も将軍で、習氏の父の戦友だった。
軍機関紙の
解放軍報
は翌25日の社説で張又侠氏らについて「中央軍事委主席責任制を著しく踏みにじり破壊した」とした上で、党の軍隊に対する絶対的指導に影響を与え、党・国家・軍隊への影響は「極めて劣悪」だと非難した。
中国の
反腐敗
は実質的には
権力闘争の手段
だとはいえ、敗者がここまで
激しく政治的に罵倒
されるのは珍しい。
汚職と合わせて、
非常に重い処罰
を受ける可能性が高い。
中央軍事委副主席もしくは国務委員(上級閣僚)クラスの大物軍人に対する
不正調査・処分
は通常、異変説が出て調査が始まったと思われる時期から半年以上たって発表される。
ただ、今回は、1月20日に
張又侠氏
らが重要会議を欠席して
失脚のうわさ
が流れてから4日後に調査の事実が明らかにされた。
本欄「習政権要人、欠席相次ぐ─『反腐敗闘争』拡大か」(昨年12月15日配信)は兵器メーカー関連の不正調査強化に関連して「武器調達に深く関わってきた張氏は何の影響も受けないのか」と指摘したが、それから数えても1カ月余りしかたっていない。しかも、12月中旬の時点で張又侠氏失脚説が広がっていたわけではなかった。
軍の実力者である張又侠氏に対する調査を長々と続けると、
妨害される恐れ
があるので、慣例や形式にこだわっている余裕がなく、調査開始を早く公表して「腐敗摘発」を
既成事実化
したのだろう。
中国当局者との付き合いが多い香港の消息筋は「明らかに政変だ」と指摘した。
今期の中央軍事委は昨年秋までに、ナンバー2の副主席だった
何衛東氏
や前国防相の
李尚福氏
軍政治工作部主任として人事を担っていた
苗華氏
の3人が党籍・軍籍を剥奪されており、制服組で残る委員は、何氏に代わって副主席に就任した軍規律検査委の
張昇民書記
だけになった。
ひとこと
習近平が独裁体制を構築中で汚職問題を根拠に反習近平派の削ぎ落としを続けたが反撃に直面している状況だ。
共産主義国家の表と裏の顔であり、犯罪者が幹部に上り詰めたものであり権力がなくなれ犯罪が露呈してしまう構造ということでもある。
口先で正義を語り平和を主張しても単なる権力を確保したいだけの輩であるのは旧ソ連や北朝鮮などと同じであり、イデオロギーは金儲けの手段であり、権力を握れば不要な者は粛清するだけの対象なのだろう。

