日本政府観光局(JNTO)は17日、中国からの11月の訪日外客数は
56万2600人(前年同月比+3%)
だったと発表した。
新型コロナウイルス禍で制限していた訪日客の受け入れ再開後で、初めて伸び率が1桁台に落ち込んだ。
10月は同23%の伸びだった。
高市早苗首相の発言を受けて、11月14日に政治カードとして利用と画策した中国政府が
日本への渡航自粛
を呼びかけたが、大騒ぎする日本の親マスコミや評論家などの予想も外れ、中国人観光客は聞く耳を持たなかったようだ。
11月の中国人訪日客数は前月比では約21%減少し、今年に入って最も少なかった。
ただ、減少は幅も小さく、オーバーツーリズムの改善には影響すら見えていない状態だった。
中国政府が目論んだ大騒ぎのよる影響力の低下は中国人観光客の減少数の割当から見れば明らかだった。
そもそも、10月に国慶節などの大型連休で増えるため例年減少に転じる時期ではあるが、昨年は同6%減にとどまった。
11月の中国人訪日客数は前月比21%減というが9割減れば、オーバーツーリズムも改善し他国の訪日外国人等や日本人観光客にとってはやかましい中国人がいなくなるだけでも環境が良くなったのだろう。
バカ買いする中国人訪日客に頼っている小売や殿様商売の百貨店で免税売上の落ち込みが広がるが、訪日消費を収益源とする中国系や在日中国人の経営する企業への影響も出始めているだけで問題は意識する必要もない。
三越伊勢丹ホールディングスは、12月14日までの免税売り上げが前年同期比約20%減だったと発表した。
高島屋は同約10%減、Jフロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店でも同9%減だった。
訪日需要の鈍化は複数の産業に波及しつつあり、特定企業の業績への下押し圧力が強まりそうだ。
野村証券アナリストの
大花裕司氏
らは、化粧品各社の国内免税売上を26年1ー3月期で同約10%減、通期で前期比約5%減と想定している。
なお、12月前半の免税売上は概ね想定内の減少率とみている。
帝国データバンクが約1200社を対象とした調査では、約43%の企業が
中国の渡航自粛
が日本経済にマイナスの影響があると答えた。
特に運輸・倉庫業界で、マイナス影響があるとの回答が突出していたという。
日本総研の古宮大夢研究員は今後、「旧正月にかけて徐々に影響が顕在化する」と指摘した。
日中関係がさらに悪化した場合、訪日消費額は3年で2.3兆円減少する可能性があると推計するが、多くが中国企業等であり、大部分が中国に還流するお金だろう。
なお、11月の訪日外客数全体は前年同月比10%増の351万8000人と堅調に推移した。
主要市場の中国からの観光客減少が長期化すれば、インバウンド需要の勢いに影を落としかねないが、そもそも、インバウンドの増加により市民生活が悪影響を受けており、これに伴う消費の減少や渋滞等によるコスト上昇等とのバランスを考えれば、中国人観光客の減少如きは日本経済全体にとってはマイナスよりプラスだろう。

