ヤシャル・アヴニ・ムスッルル（Yasar Avni Musullulu）
1942年ー2015年5月2日
トルコの麻薬・武器密売人として悪名高く、国際的なネットワークを持っていた。
当初はカラドゥルムシュという姓を名乗っていた。
1980年代以前に改名し、トルコの暗黒街において最も謎めいた影響力のある人物の一人となった。
「サリ・アヴニ」「アティラ」「トルコのエスコバル」など、多くの偽名で知られている。
ムスッルルの人生は、コーザ・ノストラへのモルヒネ供給元として、また
諜報機関
との繋がりが疑われ、国内外のスキャンダルにも深く関与するなど、高度な犯罪活動によって彩られていた。
1970年代から1980年代にかけて、ムスッルルは麻薬および武器密売の重鎮として名を高めている。
彼はトルコへ
拳銃 5,414丁
弾丸 430万発以上
を密輸した容疑に加え、
大麻 2トン
ヘロイン 500キログラム
を輸出したとされている。
こうした彼の犯罪行為により、彼はインターポールの
赤色通告リスト
に掲載され、
米国麻薬取締局（DEA）
の報告書でも世界で最も著名なヘロイン密売人の一人として記述されている。
1980年のトルコクーデター以前には、バルガトとバフチェリエヴレルにおける政治的に過激な虐殺に関与したとされ、民族主義グループとのつながりも指摘されていた。
ムスッルルは、1970年にソフィアで悪名高い密輸業者
アブゼル・ウルル
と出会い、武器密輸に関与するブルガリア国営企業
キンテックス
と協力したと述べた。
二人は数年にわたり、ブルガリアからトルコへ数千丁の銃器と弾薬を密輸した。
後に、
ハサン・コンカラ
ムスタファ・カラファト
といった他の人物もこの作戦に加わり、船による輸送を担当した。
1983年にトルコから逃亡した後、ムスッルルは10年以上にわたり海外で過ごし、スイスとスペインの高級マンションに居住しました。この間、ムスッルルは国際的な犯罪ネットワークに深く関与し、海外で強力な存在感を示した。
1983年にトルコから逃亡した後、ムスッルルは10年以上にわたり海外で過ごし、スイスとスペインの高級マンションに居住しました。この間、ムスッルルは国際的な犯罪ネットワークに深く関与し、海外で強力な存在感を示した。
彼の最も重要な繋がりの一つは、シチリアのマフィアとの緊密な関係があり、大規模なヘロイン密売とマネーロンダリングに協力していたと伝えられている。
彼の名前は、シチリアの
と米国の犯罪組織間の世界的な麻薬取引を摘発した大規模な捜査である、悪名高い「ピザ・コネクション」事件に関連して浮上した。ムスッルルはこのネットワークの金融面で重要人物であり、ヨーロッパ全土で
麻薬資金のロンダリング
を行っていたと考えられている。
また、彼はブルガリアのマフィアとも同盟を結び、国境を越えて運営されるヘロイン工場を設立した。
さらに彼の名前は米情報機関のCIAが介在した
イラン・コントラ事件
にも関係していたとされ、
ヨハネ・パウロ2世暗殺未遂事件
に使用された武器はムスッルルの密輸ルートを通じて供給されたとの情報もあった。
1990年代初頭にトルコに戻ったムムスルルは、
1990年代初頭にトルコに戻ったムムスルルは、
偽名リザ・エクシオール
を使ってアルティノルクに定住した。
喘息を患い、イスタンブールのカーテン工場のオーナーだと偽った。
一見普通の人間であるかのよう工作して一般社会に紛れ込んだ。
ただ、この隠遁生活は1998年11月、夏の別荘の購入者を装った覆面捜査官にレストランで逮捕され、社会に晒されることとなった。
彼は有名な言葉「ゲームは終わった。我々は警察だ。お前を捕まえに来たのだ。」と告げられた。
裁判中、ムスッルルは麻薬取引を否認し、タバコ密輸への関与のみを主張した。
なお、1999年5月5日、大麻取引の罪で懲役8年9ヶ月の判決を受けた。
彼は仮釈放法に基づき、2002年5月6日に釈放された。
釈放後、ムスッルルは公的生活から身を引いた。
釈放後、ムスッルルは公的生活から身を引いた。
前立腺がんを患い、2015年5月2日、イスタンブール、ガイレテペのメトロポリタン病院で73歳で亡くなった。
子供たちと近親者に見守られながら息を引き取った。
彼の葬儀は、晩年と同様に静かに執り行われた。
犯罪組織の秘密やディープステートとの疑惑に関する多くの情報が彼の中に残された。
ベーチェット・カントゥルクなどの証言によると、暗黒街ではコードネーム「アティラ」ので呼ばれていたムスッルルは、トルコの組織犯罪史において最も重要かつ謎に満ちた人物の一人とされる。
