スティーブン・フレミ（Stephen Flemmi）ウィンターヒル・ギャングの幹部

スティーブン・ジョセフ・フレミ（Stephen Joseph Flemmi ）

　　　1934年6月9日生まれ

　米国のギャングであり、有罪判決を受けた殺人犯で、ウィンターヒル・ギャングのボス

　　　ホワイティ・バルガー

の側近でした。

　1975年以降、フレミは連邦捜査局（FBI）の最高幹部情報提供者でした。

　パトリアルカ・ファミリーの内部事情について多くの情報を提供していたにもかかわらず、フレミ自身の犯罪行為はFBIにとって広報上の悪夢となった。

　彼は最終的に、組織犯罪対策法（Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act）に違反した罪で起訴され、終身刑と引き換えに有罪を認めた。

　スティーブン・ジョセフ・フレミは、イタリア系アメリカ人でラツィオ州チェッカーノ出身の両親

　　　ジョヴァンニ・「ジョン」・フレミ（1892年 - 1991年）

　　　メアリー・アイリーン（旧姓ミッサーヴィル）・フレミ（1912年 - 2000年）

のもとに生まれた3人兄弟の長男（2人の弟はマイケル・フレミとヴィンセント・フレミ）であった。

　フレミは南イタリア・プーリア州バーリ出身の移民でマサチューセッツ州で生まれた。

　彼は、マサチューセッツ州ボストンのロックスベリー地区、アンブローズ・ストリート25番地にあるオーチャード・パークの集合住宅で育った。

　彼の父親はレンガ職人で、第一次世界大戦中にイタリア王立陸軍に従軍した退役軍人であり、母親は専業主婦であった。

　フレミは15歳の時に「性的虐待」の容疑で初めて逮捕された後に暴行罪で少年院に服役した。

　1951年、17歳で陸軍に入隊し、第187空挺連隊戦闘団の一員として朝鮮戦争に2度従軍した。

　フレミは勇敢な行動で

　　　シルバースター勲章

　　　ブロンズスター勲章

を授与され、1955年に名誉除隊となった。
　スティーブ「ザ・ライフルマン」フレミは、軍を退役した後、1950年代後半に弟の

　　　ヴィンセント

と共にボストンのロクスベリー地区とサウスエンド地区で賭博と麻薬取引を支配していた

　　　ロクスベリー・ギャング

に加わった。

　このギャングはウォルター、ウィリアム、エドワード「ウィンピー」ベネット兄弟が率いていた。

　身長約175cm、体重約68kgの物腰柔らかな男、フレミは、ロクスベリーにある賭博、マッサージ、売春宿を兼ねたマルコーニ・クラブを拠点に活動していた。

　冷酷な殺し屋として知られていたにもかかわらず、フレミはナイトライフ、車、そして若い女性との付き合いを好む人気者でもあった。

　フレミは、師であるウォルターと「ウィンピー」ベネットと共に、ボストン市警の刑事

　　　ウィリアム・スチュアート

の秘密情報提供者となった。

　スチュアートは、ギャングたちにライバルの情報と引き換えに保護を提供していた。

　1964年9月、スチュアートは、スティーブン・フレミとその兄弟ヴィンセントを銃で射殺しようとする暴漢

　　　ウィリアム・マッカーシー

に銃を突きつけて介入し、二人の命を救った。

　マッカーシーは、ヴィンセント・フレミが仲間の

　　　レオ・ローリー

を殺害した後、フレミ兄弟への復讐を企んでいた。

　1960年代、ボストンとニューイングランド全域でギャング抗争が勃発した。

　アイルランド系とイタリア系のギャングが、利益の上がる犯罪組織の支配権を巡って争いを繰り広げた。

　最も熾烈な抗争は、アイルランド系ギャングの

　　　ウィンターヒル・ギャング

　　　チャールズタウン・モブ

という2つの対立するマフィアグループの間で起こった。

　フレミと彼の友人である

　　　ジョセフ・「ジ・アニマル」・バルボーザ

　　　フランシス・「キャデラック・フランク」・サレミ

はウィンターヒル・ギャングに引き入れられ、ギャング抗争中に一連の利益の上がる殺人契約を遂行した

　フレミはサマービルのアイルランド系ギャングとのつながりに加え、イタリア系マフィアとも関係を持っていた。

　フレミは幼なじみの

　　　サレム

とパートナーを組み、ボストンのノースエンド地区でパトリアルカ・ファミリーの執行官、賭博師、そして高利貸しとして活動した。

　フレミは1960年代半ば、連邦捜査局（FBI）の情報提供者として採用され、「サウスボストン出身のジャック」というコードネームを名乗った。

　FBIは後にフレミを「将軍」と呼んだ。

　1965年秋までに、フレミはFBI捜査官

　　　H・ポール・リコ

の監督下に置かれていた。

　リコはパトリアルカ・ファミリーとの繋がりから、フレミを情報提供者として育てていた。

　フレミは一家の指導者に関する情報を提供できる能力があったため、リコは彼をFBIの情報提供者として最高位である

　　　トップ・エシュロン情報提供者

に任命した。
　ギャング抗争中の同盟関係の変化と殺人事件の継続により、フレミの命は常に危険にさらされた。

　彼は他の情報提供者から得た脅威をリコに知らせてもらうことに頼っていた。

　情報提供者としてのフレミの有用性から、リコはフレミの犯罪行為を見逃していた。

　1960年代後半までに、フレミは複数の殺人事件の容疑者となった。

　ただ、FBIは殺人事件について彼を尋問しなかった。

　リコはウィンターヒル・ギャングのメンバーに情報を漏洩し、ライバルのギャングを追跡・殺害することができた。

　リコは、チャールズタウンのギャング

　　　エドワード・「パンチー」・マクラフリン

が違法盗聴でリコと彼のボスである

　　　J・エドガー・フーバー

を「ホモ野郎」と呼んでいるのを聞いて憤慨し、報復としてマクラフリンのライバルたちに彼の居場所を知らせた。

　フレミとサレミは、ラビに変装してベス・イスラエル病院の駐車場でマクラフリンをショットガンで殺害しようとした最初の試みを行った。

　マクラフリンは顎を吹き飛ばされたが、一命を取り留めた。

　2度目の試みでは、フレミとサレミは、ウェストンの恋人の家に到着したマクラフリンを待ち伏せし、機関銃で発砲した。

　二人は狙いを外したものの、逃走前に

　　　ハワード・「ハウィー」・ウィンター

がスコープ付きの.308ウィンチェスターライフルでマクラフリンの手を撃ち落とした。

　マクラフリンは1965年10月20日、ウェスト・ロックスベリーのバス内で2人の銃撃犯に射殺された。

　フレミとサレミは、この2人の銃撃犯とされた。
　フレミの最初のギャングのボス

　　　「ウィンピー」ベネット

は、パトリアルカ・ファミリーと

　　　バルボーザ

が率いるイーストボストンのギャング団との抗争において中立を保つと誓っていた。

　なお、ベネットと、フレミとサレミのマフィア内での最も親しい連絡係である

　　　イラリオ「ラリー」ザニーノ

との間には対立が続いた。

　フレミとサレミは、「ウィンピー」ベネット兄弟とウォルター・ベネット兄弟を相次いで射殺した。

　ザニーノの指示により、47歳の「ウィンピー」ベネットは1967年1月19日、サレミ所有のガレージで殺害された。

　ベネットが失踪した後、フレミはFBIの担当者リコに、彼が生きて発見される可能性は「全くない」と通告した。

　55歳のウォルター・ベネットは、1967年4月3日に、フレミにとって脅威とみなされた後、行方不明になった。

　両名はホプキントンの辺鄙な場所に埋葬された。
　ベネット家の三男

　　　ウィリアム・「ビリー」・ベネット

が「フレミが兄弟二人を殺害したという確信を声高に主張し始めた」時、フレミは「しぶしぶ」自分も殺さなければならないと決意した。

　56歳のビリー・ベネットは、1967年12月22日、ボストンのマタパン地区で、サウスボストン出身の仲間

　　　リチャード・グラッソ

と共に車に乗り込んだ後、走行中の車から投げ出され、雪の山に叩きつけられて死亡しているのが発見された。

　スチュアートは、ベネット殺害後の遺体清掃でフレミを手伝った。

　1週間後、グラッソは頭部を2発撃たれ、ブルックラインで1967年型ビュイック・ワイルドキャットのトランクに遺体として残された。

　 グラッソは、ビリー・ベネット殺害に自分の車が使われたため「パニック」になり、フレミに殺​​害された。

　ベネット兄弟の殺害後、フレミは

　　　ロクスベリーギャング

の支配権を握った。
　1967年の夏、ザンニーノと

　　　ピーター・リモーネ

は、フレミとサレミをパトリアルカ・ファミリーの一員として後援することを決めた。

　マフィアに入団するには通常、殺人の実行が求められるが、フレミとサレミは熟練の殺し屋として名を馳せていたため、ファミリーはその条件を免除することを申し出た。

　1967年の冬、フレミはロードアイランド州プロビデンスに召喚され、パトリアルカ・ファミリーのボス

　　　レイモンド・パトリアルカ

と面会した。

　サレミとは異なり、フレミはマフィアを信用しておらず、FBIの情報提供者として十分な保護を受けていると考えていた。

　このため、最終的にファミリーの入団の試みを断った。

　フレミは、バルボーザをパトリアルカ・ファミリーに対する政府の協力証人として引き立てようとするリコの取り組みにおいて重要な役割を果たした。

　バルボーザが証人として出廷した後、

　　　レイモンド・パトリアルカ

は、バルボーザの証言を裏付ける可能性のある証人や、バルボーザの弁護士

　　　ジョン・E・フィッツジェラルド

の殺害を命じた。

　1968年1月30日、フレミとサレミはエバレットで

　　　フィッツジェラルド

のキャデラックのボンネットの下に車爆弾を仕掛けた。

　フィッツジェラルドは生き残ったが、爆発で右足の下の部分を失った。

　リコによると、1968年5月、フレミはパトリアルカ・ファミリーとの争いに巻き込まれていた

　　　トーマス・ティモンズ

を殺害して埋めた。
　1969年9月、フレミはマサチューセッツ州の2つの郡で秘密の大陪審によって起訴された。

　サフォーク郡ではウィリアム・ベネット殺害の罪で、ミドルセックス郡ではサレムと共に

　　　フィッツジェラルド殺人未遂の罪

で起訴された。

　リコから起訴が迫っていることを知らされたフレミは、サレム、そしてサウスエンドで

　　　「ウィンピー」ベネット

の仲間でベネット殺害を目撃しフィッツジェラルド爆破事件にも加担した

　　　ピーター・ポウロス

と共にボストンから西海岸へ逃亡した。

　3人がロサンゼルスに到着した後、サレムは単独で潜伏した。

　フレミは、ポウロスと車でアメリカ中を横断中、ラスベガス郊外でポウロスを射殺した。

　彼とサレミは「[ポウロス]は法廷での圧力に耐えられないだろうと感じた」からである。

　ポウロスの遺体は1969年後半にネバダ州の砂漠で発見された。
　フレミは4年半の逃亡生活を送り、最初はニューヨーク市、その後モントリオールに移り、新聞社の印刷工として働いた。

　逃亡中、フレミはリコと連絡を取り続け、彼に対する訴訟の進捗状況を常に報告していた。

　リコはまた、フレミを追っていたマサチューセッツ州当局からフレミの居場所を秘密にしていた。

　度重なる意見の相違でサレミと別れた後、フレミはサレミの居場所をFBIに通報した。

　その結果、サレミは逮捕され、フィッツジェラルド爆破事件の罪で懲役15年の判決を受けた。

　主要証人が証言を撤回したため、フレミに対する告訴は最終的に取り下げられた。

　フレミは1974年5月にボストンに戻った。　

　1965年、ジェームズ・J・「ホワイトイ」・バルジャーは銀行強盗で9年の刑期を務めた後、連邦刑務所か​​ら釈放された。

　数年間、清掃員として働いた後、サウスボストンのギャングのボス

　　　ドナルド・「ドニー」・キリーン

の取り締まり役となった。　

　キリーンが

　　　マレン・ギャング

の取り締まり役に殺害された後、ウィンター・ヒル・ギャングのボス

　　　ハワード・「ハウィー」・ウィンター

は、バルジャーと残りのキリーン一家、そしてパトリック・「パット」・ニーが率いるマレン一家との間の争いを仲裁した。

　ウィンターはすぐにバルジャーをサウスボストンでの自分の担当に選んだ。

　この頃、ボストンFBIはバルジャーに情報提供者になるよう説得しようとしたものの、バルジャーは当初この申し出を拒否した。

　1974年、バルジャーはウィンター・ヒル・ギャングの取り締まり役としてフレミと共同経営者となった。
　バルジャーは1975年、FBI捜査官

　　　ジョン・“ジップ”・コノリー

にスカウトされ、フレミの

　　　トップ・エシュロン情報提供者プログラム

に参加した。

　バルジャーはフレミに、バルジャーの秘密を知っていると告げたとされている。

　フレミは当時、バルジャーも情報提供者であることを知らなかったと主張している。

　しかし、マフィアのケビン・ウィークスは、フレミの話は真実ではないと主張している。

　彼は、バルジャーがフレミの相棒になってから1年後に情報提供者になったのは偶然の一致すぎると考えている。

　彼は、フレミがおそらく連邦捜査でのバルジャーに対する訴追の準備に協力しただろうと記している。

　ウィークスは、バルジャーはFBIに情報を提供するか、刑務所に戻るかの選択を迫られた可能性が高いと述べている。

　フレミの最初の担当者であったリコは、1970年にFBIマイアミ支局に異動した。

　1975年に退職した。

　コノリーはバルジャーの協力を得て、フレミとFBIの関係を修復した。

　コノリーは1975年から1990年に引退するまで、フレミとバルジャーの担当者を務めた。

　フレミとバルジャーは、

　　　パトリアルカ・ファミリーへの共通の反感

　　　その壊滅による利益への欲求

　そして

　　　FBIの保護

によって結ばれた強固で永続的なパートナーシップを築き上げた。

　ギャングとFBIの同盟が深まるにつれ、フレミとバルジャーは、マフィアを捜査するFBI捜査官たちと定期的に会食を行った。

　その中には、ボストン組織犯罪課のコノリーと彼の同僚数名、コノリーの上司である

　　　ジョン・モリス

　　　ジェームズ・リング

　そして「ドニー・ブラスコ」としてニューヨークのボナンノ一家に潜入するために潜入捜査を行っていた

　　　ジョセフ・D・ピストーネ

らが含まれていた。

　1997年、ボストン・グローブ紙がバルジャーとフレミが情報提供者であったことを暴露した直後、バルジャーの元側近

　　　ケビン・ウィークス

がコノリーと面会し、バルジャーのFBI情報提供者ファイルのコピーを見せられた。

　バルジャーとフレミが情報提供者だったことを説明するため、コノリーは「マフィアはジミーとスティービーに敵対していたので、ジミーとスティービーは彼らに対抗した」と述べた。

　その夜、トップ・オブ・ザ・ハブでファイルを読み進めていると、コノリーはファイルの情報の90%はスティービーから得たものだと繰り返し言っていた。

　確かにジミーはスティービーのようにマフィアと関わりがなかった。

　ただ、コノリーは、自分のファイルを有効にしておくためにはジミーの名前をファイルに載せる必要があると言った。

　ジミーが情報提供者として活動している限り、ジミーと会って貴重な情報を提供することは正当化できるとコノリーは言った。

　コノリーは引退後もFBIに友人がおり、ジミーと会っては近況を報告し合っていた。

　私はそれを聞いていたが、引退後もコノリーはジミーから情報だけでなく金も得ていたのだと理解した。

　読み進めるうちに、多くの報告書はイタリア人だけに関するものではないことがわかった。

　ポーランド人やアイルランド人、私たちが取引していた人々、そして私の友人の名前がどんどん増えていった。

　知っている人の名前に出会うたびに、その人について書かれていることをそのまま読みました。

　何度も何度も、これらの報告書に記された犯罪で逮捕された人々の姿を目にした。

　コノリーが、ファイルは配布されておらず、自分の個人的な使用のためだと言った時、それが嘘だと悟るのに時間はかからなかった。

　彼はFBIの職員であった。

　フレミとバルジャーは、FBIがノースエンドのプリンス通り98番地にあるパトリアルカ・ファミリーの副ボス

　　　ジェンナーロ「ジェリー」アンジュロ

の本部に

　　　盗聴装置

を設置するのを支援した。

　モリスの要請で、二人は1980年11月にその場所を訪れ、フレミはアンジュロのオフィスの図面を作成し、FBI捜査官が盗聴器を仕掛けるべき場所を正確に把握できるようにした。

　フレミは盗聴で収集された情報が自分とバルジャーの犯罪行為への関与を示唆するのではないかと懸念した。

　ただ、FBIはテープの内容が彼らに不利に働くことはないと保証した。

　1950年代、フレミはジャネットというアイルランド系アメリカ人女性と結婚していた。

　ただ、後に疎遠になった。

　1980年までに、長年の愛人

　　　マリリン・デシルバ

と結婚するためにジャネットと離婚する計画を立てていた。

　ただ、実際に法的措置を実行したかどうかは不明である。

　フレミは生涯を通じて、デブラとミシェルのデイビス姉妹、そしてデボラ・ハッセーを含む複数の女性と密会していた。

　サレミによると、「フレミにとって何よりも大切なものが二つあります。それは金と女性です。必ずしもその順番ではありません」と述べている。

　フレミは1974年にボストンに戻った後、宝石店で

　　　デブラ・デイビス

と出会い、7年以上交際した。

　二人はランドルフのアパートで、デイビスの妹ミシェルと共に同棲していた。

　フレミとデイビスの関係は、フレミが14歳のミシェル・デイビスを性的虐待し始めたことで緊張した。

　ステート・ストリート60番地にあるレストラン「ベイ・タワー・ルーム」での口論の最中、苛立ちを募らせたフレミは、自分とバルジャーがFBIの情報提供者であることを彼女に暗黙のうちに認めた。

　激怒したバルジャーはデイビスの殺害を主張し、フレミはそれを黙認したとされている。

　1981年9月17日、26歳のデイビスはサウスボストンにあるフレミの母親の自宅の地下室で絞殺された。

　フレミはデイビスがバルジャーに殺害されたと主張した。

　ジョン・マルトラノによると、フレミは「誤って」絞殺したことを認めた。

　フレミはデイビスの歯を抜き、両手を切り落とし、遺体の身元確認を困難にした。

　その後、彼女はノース・クインシーのネポンセット川沿いのテニアン・ビーチに埋葬された。

　フレミはバルジャーと共に遺体を埋める際、バルジャーを殺害しようと考えたと主張した。

　フレミはデイビスの母親オルガに、娘がテキサスに引っ越したと思い込ませた。

　フレミによる虐待に対する羞恥心と罪悪感に苛まれたミ

　　　シェル・デイビス

は、薬物中毒とアルコール依存症に陥り、2006年1月に薬物の過剰摂取で死亡した。

　デイビス殺害から4年後の1985年、フレミとバルジャーはフレミの内縁の妻マリオン・A・ハッセーの継娘

　　　デボラ・ハッセー

を殺害した。彼女はは10代の頃にフレミから性的虐待を受けており、母親にフレミから長年性的虐待を受けていたと告げた。

　それ以来、ハッセーはフレミの恋人だった。

　殺害される数日前、ハッセーはフレミと別れようとしており、母親に二人の関係を告げていた。

　これが殺害の動機になったと考えられている。

　フレミ、バルジャー、そしてウィークスは、彼女をサウスボストンのイーストサードストリート799番地にある家に誘い込み、絞殺したと考えられている。

　彼女の遺体は地下室に埋葬された。

　1991年までに、サレミーはニューイングランドにおけるマフィアの事実上のリーダーとなっていた。

　パトリアルカ・ファミリーのボスとしての地位を確固たるものにするため、サレミーはマフィアとウィンターヒル・ギャングとの同盟関係を築き、ボストンのイタリア系およびアイルランド系犯罪組織を事実上統合した。

　サレミーとその仲間の

　　　ジョージ・カウフマン

は、ウィンターヒル・ギャングとパトリアルカ・ファミリーの連絡役を務めた。

　なお、ボストン有数の組織犯罪組織としてのウィンターヒル・ギャングの座をマフィアが奪取するのを防ぐため、パトリアルカ・ファミリーに不満を煽ろうとした

　　　バルジャーとコノリーの計画

は成功し、サレミー射殺事件後、パトリアルカ・ファミリーは内部抗争状態に陥った。

　フレミによると、1993年5月10日、フレミはシャロンにあるサレミの自宅を偶然訪れた際、サレミ・シニアが見守る中、ナイトクラブのオーナー

　　　スティーブン・ディサロ

の殺害をサレミの息子、

　　　フランシス・「フランキー・ボーイ」・サレミ・ジュニア

が仲間の

　　　ポール・ウィアディック

にディサロの足を押さえさせ、ディサロを絞殺する現場に遭遇したという。

　サレミは、サレミと息子が金銭的利益を保有していたサウスボストンのナイトクラブ「チャンネル」での違法行為に関する連邦捜査にディサロが協力するのではないかと懸念し、ディサロの殺害を命じた。

　ディサロはロードアイランド州プロビデンスの工場の裏に埋葬された。

　1994年4月、麻薬取締局（DEA）、マサチューセッツ州警察、ボストン警察の合同タスクフォースが、ウィンターヒル・ギャングとパトリアルカ・ファミリーが共謀していた賭博事業の捜査を開始した。
　1994年末までに、マサチューセッツ州警察と連邦検事局は、フレミ、バルジャー、サレミを35件の恐喝罪で起訴するのに十分な証拠を集めた。　

　1994年12月、コノリーはバルジャーとフレミに、投獄されているユダヤ系アメリカ人の賭博業者数名が、彼らにみかじめ料を支払ったことについて証言することに同意したと伝えた。

　その結果、司法省から秘密の起訴状が届き、FBIはクリスマスシーズン中に逮捕を行う予定だった。

　これを受けて、バルジャーは1994年12月23日、内縁の妻キャサリン・グレイグと共にボストンから逃亡した。

　フレミはサレミに警告した。

　サレミはプロビデンス、そしてフロリダ州ウェストパームビーチへと逃亡した。

　　　　

According to Kevin Weeks,[25]: 215 
In 1993 and 1994, before the hounds of tuna came down, Jimmy and Stevie were traveling on the French and Italian Riviera. The two of them traveled all over Europe, sometimes separating for a while. Sometimes they took girls, sometimes just the two of them went. They would rent cars and travel all through Europe. It was more preparation than anything, getting ready for another life. They didn't ask me to go, not that I would have wanted to. Jimmy had prepared for the run for years. He'd established a whole other person, Thomas Baxter, with a complete ID and credit cards in that name. He'd even joined associations in Baxter's name, building an entire portfolio for the guy. He'd always said you had to be ready to take off on short notice. And he was.

Flemmi, however, miscalculated how soon the arrests would take place and remained in Boston.[12] On January 5, 1995, he was arrested by the state police as he left Schooner's Restaurant in a car along with a woman companion.[45] A bewildered Flemmi asked agents "Is this a gag?" as he was being arrested.[46] He was held without bail and incarcerated at the Plymouth County House of Correction.[44][47]

During the discovery phase, two of Flemmi's co-defendants, Boston mafiosi Frank Salemme and Bobby DeLuca, were listening to tape from a roving bug, which is normally authorized when the FBI has no advance knowledge of where criminal activity will take place. They overheard two of the agents who were listening in on the bug mention that they should have told one of their informants to give "a list of questions" to the other wiseguys. When their lawyer, Tony Cardinale, learned about this, he realized that the FBI had lied about the basis for a roving bug in order to protect an informant. Suspecting that this was not the only occasion that this happened, Cardinale sought to force prosecutors to reveal the identities of any informants used in connection with the case.[48]: 288–289, 291–293 

Eventually, both Bulger and Flemmi were revealed to be FBI informants. Flemmi believed that as a result, he had protection from the FBI, but not immunity. He initially planned to prove through his own testimony and that of others that he was being prosecuted for crimes that were effectively authorized by the FBI. He believed that as a result, Judge Mark L. Wolf would have no choice but to throw out the entire indictment.[48]: 297–300  Flemmi's problem was that, without immunity, he could not admit to killings he had not been charged with. By the time Flemmi took the stand, in August 1998, John Martorano had pleaded guilty and started outlining the details of almost twenty murders he'd committed. Many of his murders had been done at the direction of Bulger and Flemmi, who had paid him more than $1 million during his years as a wanted fugitive between 1978 and 1995. To many questions about the murders Flemmi was involved in, he pleaded the Fifth Amendment.[48]: 313–316 

However, by 2000, it was obvious this gambit had failed. Out of desperation, he ordered Weeks to get in touch with retired state police lieutenant Richard J. Schneiderhan, a lifelong friend who had been on Winter Hill's payroll for virtually his entire career, to leak information about several wiretaps investigators were monitoring in hopes of tracking down Bulger. However, when Weeks reached a plea bargain a year later, he admitted Schneiderhan's role in the leak. Schneiderhan was ultimately convicted of obstructing justice and was sentenced to 18 months in prison. In 2000, Flemmi's brother Michael, then a retired Boston Police Department officer, was arrested for moving an arsenal of more than 70 weapons from their mother's shed after learning that it was to be the target of a search warrant. He was convicted in 2002 and sentenced to 10 years in prison. A year later, he pleaded guilty to selling a load of Flemmi's stolen jewelry for $40,000.[48]: 340–341 

By 2003, Flemmi realized he was out of options. Salemme and several others had joined Weeks in turning informer, and had disclosed enough information to ensure Flemmi would die in prison. He also faced possible execution for murders in Florida and Oklahoma. In October, Flemmi pleaded guilty in U.S. District Court in Boston to 10 counts of murder and accepted a sentence of life in prison without parole.[49] As a part of a deal, the sentence given to his brother, Michael, was reduced.[25][48]: 341–342 

Flemmi testified against Connolly at the latter's trial for the murder of John Callahan, the former president of World Jai Alai. Callahan had been killed in 1981 after he was implicated in the murder of his successor as president, Roger Wheeler. According to Flemmi, Connolly told him and Bulger that Callahan could potentially turn state's evidence and implicate them in Wheeler's murder.[50] He also testified against Bulger in the latter's 2013 trial for murder and racketeering, at which Bulger was sentenced to life plus five years.[51]

As a cooperating witness, Flemmi is held in an undisclosed penitentiary as part of the Federal Bureau of Prisons' Witness Security (WitSec) program.[52]On August 18, 2021, Flemmi was denied parole by the Florida Commission on Offender Review after seeking compassionate release. His next review is not scheduled until 2028, when he will be 93 years old. His parole is scheduled for May 4, 2218.[53]