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2025年06月12日

欧州国債市場でイタリアとギリシャが勝ち組に変身

 財政赤字懸念が世界の国債市場を揺るがした5月、イタリア、ギリシャ、スペインの国債が上昇し、従来ではあり得ない現象が発生した。
 長らく欧州周辺国と二線級の扱いで呼ばれ放漫財政と肥大した官僚主義がその特徴であるとされたうえ欧州のお荷物とも侮蔑され、ほんの数年前であれば、こんなことは考えられなかった。
 本来であれば、政府債務急増への不安が世界的に広がった先月のような局面では、これらの国の国債こそ強烈な売りを浴びただろう。
 ただ、現在のイタリア、ギリシャ、スペインは
   強制的な緊縮財政
に追い込まれた過去の教訓に学び、赤字を抑制し比較的慎重な財政運営を行ってきた。
 一方、ドイツや米国、日本など、規模が大きく経済力に優れる政府は、
   債務負担を増大させる支出計画
に突き進んでいる。(ただし、日本は米国債券や米ドルなど莫大な海外債券を円高時に購入してきたが、政権維持のため売るに売れない状況があり、素行の悪い与野党政治家が日本国民に明らかにすれば、その直後にメディアから醜聞が流れ政治生命を絶たれることを恐れて、沈黙しており、同じくマスコミも同様の情報を握られたまま表に出されると困るといった問題が背景に見え隠れしている。)
 巨額の借り入れを行う国への警戒感が高まる中で、ドイツ債の代わりにイタリア債を保有することで投資家が要求する上乗せ利回り(スプレッド)は急低下し、1ポイントを割り込んだ。
 10年余り前には最大5.7ポイントに上っていたことを踏まえれば、欧州の「持つ者と持たざる者」、より全般的には先進国全体の差がなくなってきていることを浮き彫りにさせている。
これに対し、フランス10年債利回りは上昇して同年限のスペイン債を上回り、いまやギリシャ債をわずか3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回るに過ぎない。
 欧州の国債利回りが全体的に収れんすると見込むトレーディングは、つい最近まで痛みを伴うものだった。
 ゼロ付近の金利と大量の緩和マネーで周辺国を支える欧州中央銀行(ECB)の意思がなければ、壊滅的な打撃を被っていたことが予想される。
 トランプ関税による経済の混乱が広がる中、今や、ECBの助けなどまるで必要とせずに、この戦略が完全に息を吹き返した。
 この変化はとりわけイタリアで顕著となっている。
 二重経済として経済統計で把握できない部分が大きかったイタリアでは長らく、政治混乱と低成長、放漫財政、不安定な国債相場のイメージが定着していた。
 ここにきて少なくとも他国と比較すれば、市場に気に入られる存在へと生まれ変わったと見られている。
 イタリア債とドイツ債のスプレッドは、認識の変化を物語っている。
 スプレッドは今や0.91ポイントでしかなく、この急転換でイタリアは今年、記録的な額の対内投資を獲得した。
 対照的にドイツ債に対して日本の投資家は4月に売り越しに転じており、その規模は2014年以来の大幅なものとなっている。
 ニューバーガー・バーマンで60億ドル(約8670億円)相当の債券を運用するシニアポートフォリオマネジャー
   パトリック・バーブ氏
は「財政運営や赤字の見通しは予想以上に良好で、中核国の多くを上回る高い成長を遂げている」「周辺国の方があらゆる部分で好ましい」と指摘し、イタリア債がアウトパフォームを続けると見込んだ。
 また、バーブ氏は「率直に言うと、これほど収れんするとは思っていなかった」述べ、「米国債については多くの疑問があるが、イタリア債を巡ってはしばらく市場を驚かせるようなことが起きていない」と続けた。
 ニューバーガーのバーブ氏とその同僚のヤニク・ロワラ氏は、トランプ関税で市場が混乱した4月にイタリア債を購入した。
 両氏は独伊スプレッドが年末までに0.8ポイントまで縮小することを目標としている。
 イギリスの大手金融機関であるバークレイズのストラテジストはさらに強気で、同スプレッドが向こう6カ月で0.7ポイントまで縮小すると見込む。

   
posted by まねきねこ at 08:00| 愛知 | Comment(0) | イベント 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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