国家防諜・安全保障センター(National Counterintelligence and Security Center NCSC)
米国連邦政府の国家防諜(CI)を指揮している機関で、NCSCは、国家情報長官室(ODNI)の一部門である。
国家防諜局(NCIX)とその支援機関である国家防諜局(ONCIX)は、2001年1月5日、当時の
ビル・クリントン大統領
の大統領指令(PDD-75)によって設立された。
この指令により、NCIXに助言を行う
国家防諜(CI)理事会
国家CI政策委員会(NCIPB)
も設立された。
ONCIXは、1994年にCIAのスパイ
アルドリッチ・ヘイゼン・エイムズ(Aldrich Hazen Ame)
の逮捕を受けて設立された国家防諜センターに代わる機関として位置づけられている。
これらの新しい防諜機関は、後に2002年の防諜強化法によって法制化された。
2004年に可決された
情報改革・テロ対策法(IRTPA)
では、9/11委員会の勧告の多くを実施するために制定され、
インテリジェンス・コミュニティ (IC)の対諜報活動
を調整していたNCIXとONCIXを、すべてのIC活動の調整を担当する新しい国家情報長官室(ODNI)内に配置した。
2014年11月、国家情報長官は、
ONCIXを安全保障評価センター(CES)
特別安全保障センター(SSC)
国家内部者脅威対策部隊(NIST)
と統合し、NCSCを設立した。
これは、対諜報活動と安全保障ミッションの分野を単一の組織の下に効果的に統合・連携させるためである。
この再編により、ONCIXは独立した組織として存在しなくなった。
国家対諜報執行部(NCIX)が新しいNCSCの長官に就任した。
ONCIXは、CIコミュニティが外国勢力、テロリスト集団、その他の非国家主体からの諜報脅威をより適切に特定、評価、優先順位付け、そして対抗できるようにすることで、米国の対諜報活動と意識向上を促進する目的がある。
また、CIコミュニティが効率的かつ効果的に活動することを確保し、米国のあらゆる対諜報活動の統合を実現させる。
その公式の使命としては。
・米国の利益を狙った敵対的な情報活動を活用し、阻止する。
・米国の情報システムの完全性を守る。
・あらゆるレベルの意思決定者に、鋭敏で実用的な情報を提供する。
・敵対的な情報活動から重要な国家資産を保護する。
・軍隊を標的とした敵対的な情報活動を無力化し、活用する。
なお、国家対情報執行部(National Counterintelligence Executive)は、国家対情報政策委員会(National Counterintelligence Policy Board)の議長を務め、国家対情報・安全保障センター(National Counterintelligence and Security Center)を統括している。
・米国の利益を狙った敵対的な情報活動を活用し、阻止する。
・米国の情報システムの完全性を守る。
・あらゆるレベルの意思決定者に、鋭敏で実用的な情報を提供する。
・敵対的な情報活動から重要な国家資産を保護する。
・軍隊を標的とした敵対的な情報活動を無力化し、活用する。
なお、国家対情報執行部(National Counterintelligence Executive)は、国家対情報政策委員会(National Counterintelligence Policy Board)の議長を務め、国家対情報・安全保障センター(National Counterintelligence and Security Center)を統括している。
ONCIXは民間部門に対する潜在的な脅威に関する警告を配信することはないが
FBIの国家安全保障問題認識・対応プログラム(ANSIR)
国務省海外安全保障諮問委員会(OSAC)
中央情報局(CIA)
と緊密に連携し、警告がタイムリーに発信されるよう努めている。
国家地理空間情報局の対諜報局はONCIX内に常駐している。
2006年8月7日、
ジョン・D・ネグロポンテ国家情報長官(John D. Negroponte)
は、国家防諜責任者兼防諜ミッション・マネージャーに
ジョエル・F・ブレナー(Joel F. Brenner)
を任命した。
2009年9月21日、国家防諜責任者に
ロバート・「ベア」・ブライアント(Robert "Bear" Bryant)
が任命された。
2014年5月、ジェームズ・R・クラッパー国家情報長官(James R. Clapper)は、対テロを専門とする元FBI特別捜査官の
ウィリアム・エヴァニーナ(William Evanina)
を新たな国家防諜責任者に任命した。
2015年、議会は同ポストを任命条項の対象とし、上院の承認を条件とすることを決定した。
そして2018年、トランプ大統領はウィリアム・エヴァニーナを国家防諜・安全保障センター(NSC)の所長に正式に任命した。
2021年1月、マイケル・オーランド(Michael Orlando)副所長が所長代行に就任した。
2023年9月、マイケル・C・ケイシー(Michael C. Casey)がNCSC所長に就任した。
2025年1月、マーク・フロウンフェルター(Mark Frownfelter)が所長代行に任命された。