ロイヤル バンク オブ カナダの資産管理部門
米国が仕掛けた貿易戦争で景気見通しが暗くなる中、ブルーベイは過去1週間で、30年物日本国債へのポジションをオーバーウエートに変えた。
同国債が一段と下落するという従来の見方を放棄したと見られる。
同国債が一段と下落するという従来の見方を放棄したと見られる。
新発30年国債利回りは今週に入って急上昇し、一時21年ぶりの高水準を記録した。
同社のマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)はメディアとのインタビューで、「日本の現物債の金利は時間とともに上昇すると当社では予想してきた」と発言した。
また、「しかし、関税の影響で景気が減速していることから、日銀は向こう数カ月、利上げを急がないのではないかと考えている」と続けた。
また、「しかし、関税の影響で景気が減速していることから、日銀は向こう数カ月、利上げを急がないのではないかと考えている」と続けた。
トランプ米大統領が今月発表した
大規模な関税措置
を受け、金融市場は混乱し、日本国債にも波及した。
大規模な関税措置
を受け、金融市場は混乱し、日本国債にも波及した。
新発30年国債利回りは15日に一時、2.9%近くへと上昇した。
ダウディングCIOは、この急上昇が相場を「魅力的な水準」にリセットしたと述べた。
ダウディングCIOは、この急上昇が相場を「魅力的な水準」にリセットしたと述べた。
ブルーベイではまた、数週間前に構築したイールドカーブフラット化に賭けるポジションを積み増した。
30年債が10年債をアウトパフォームし、両者の利回り差が縮小した場合に利益が出る仕組みだ。
新発10年国債利回りは現在1.3%前後と、30年債利回りの半分程度となっている。
30年債が10年債をアウトパフォームし、両者の利回り差が縮小した場合に利益が出る仕組みだ。
新発10年国債利回りは現在1.3%前後と、30年債利回りの半分程度となっている。
ダウディング氏は「過去1週間で、30年物日本国債のバリュエーションには大きな乖離が生じた」と指摘した。
「日本の30年国債は現在、先進国市場の金利カーブで最も魅力的なロングポジションだ」と語った。
「日本の30年国債は現在、先進国市場の金利カーブで最も魅力的なロングポジションだ」と語った。
日銀の植田和男総裁は、米国の関税措置がもたらした
不確実性
を踏まえ、日銀が当面は
利上げの検討を慎重に進める考え
を示唆したため、市場の追加利上げ観測は後退し、先物市場では年末までに0.25ポイントの利上げを実施する確率が約50%となっている。
不確実性
を踏まえ、日銀が当面は
利上げの検討を慎重に進める考え
を示唆したため、市場の追加利上げ観測は後退し、先物市場では年末までに0.25ポイントの利上げを実施する確率が約50%となっている。
ダウディング氏は30年債利回りについて、向こう数週間さらに低下すると予想している。
5月上旬のゴールデンウィーク明けに、日本の投資家は年限長めの国債購入を増やすとの見方を示した。
5月上旬のゴールデンウィーク明けに、日本の投資家は年限長めの国債購入を増やすとの見方を示した。
日銀は政策金利の無担保コール翌日物金利を0.5%程度としている。
ダウディング氏は、日銀がこれを2026年3月末までに1%に引き上げ、27年3月末までに1.5%にするとの予想を変えていない。
しかし、関税措置が日本の輸出セクターに打撃を与え、それが経済全体への重しとなるリスクを考えると、「まだ遠い道のりのように感じられる」と語った。
ダウディング氏は、日銀がこれを2026年3月末までに1%に引き上げ、27年3月末までに1.5%にするとの予想を変えていない。
しかし、関税措置が日本の輸出セクターに打撃を与え、それが経済全体への重しとなるリスクを考えると、「まだ遠い道のりのように感じられる」と語った。
ブルーベイは円についてはロングポジションを維持しており、年内に対ドルで135円に上昇すると予想しているようだ。