米宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、今年の回復が待望されているが、この期待はしぼんだ。
同社が30日発表した通期売上高見通しは、予想を大きく下回った。
UPSは2025年の通期売上高を890億ドル(約13兆7600億円)と予測した。
アナリストの予想平均は949億ドルだった。
これと併せて発表された24年の通期売上高は911億ドルだった。
この発表を受けて米国時間30日早朝の時間外取引で、UPS株価は一時10%安と急落した。
29日まで年初来では約6%上昇していたが、24年通年では20%下げ、3年連続の下落となっていた。
中核の小包宅配事業は、長引く需要低迷に苦しんでいる。
小包をやり取りする企業や個人の消費者が減り、1日当たり平均の小包取扱量は新型コロナウイルスのパンデミック期のピークから減少した。
一部の顧客が「プレミアム」発送をやめて「エコノミー」に切り替えたことも、UPSの利益に響いている。
30日の発表文によると、昨年10−12月(第4四半期)の調整後1株利益は2.75ドルだった。
ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均は2.53ドルだった。
UPSはまた、大口顧客との間で26年下期までに取扱量が50%余り減ることで合意したとも明らかにした。