ロシアの先週の海上原油輸出は、約2カ月ぶりの大幅な減少となった。
バイデン前米政権がロシアの石油業界に対して導入した
包括的な制裁
が、早くも効果を発揮しつつある。
包括的な制裁
が、早くも効果を発揮しつつある。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データと港湾サービス関連業者の報告によると、19日までの1週間に輸出されたロシア産原油はタンカー26隻で合計1926万バレルだった。
その前の週は27隻で合計2106万バレルだった。
その前の週は27隻で合計2106万バレルだった。
なお、週ごとの変動をならした4週平均でも、1日当たりの輸出量は300万バレルを下回り、直近の1年4カ月ぶり低水準に近い値に抑え込まれている。
バイデン政権の制裁が発表されて以降、タンカーは進路を変更し、買い手はロシア以外に目を向けている。
スエズ運河の通行がフーシー波の攻撃等で回避され、運搬ルートが長くなった影響などでタンカー等の傭船料金が高騰した背景もあり、ロシア極東のコズミノ港では制裁対象となっていない船舶が不足するなど、混乱の兆しが幾つか見られていた。
スエズ運河の通行がフーシー波の攻撃等で回避され、運搬ルートが長くなった影響などでタンカー等の傭船料金が高騰した背景もあり、ロシア極東のコズミノ港では制裁対象となっていない船舶が不足するなど、混乱の兆しが幾つか見られていた。
制裁の影響は、ロシア極東でとりわけ強く表れそうだ。
昨年10月初め以降に輸出された東シベリア・太平洋(ESPO)原油のおよそ75%は、今や制裁対象に指定された船舶で輸送されていた。
サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」、「サハリン2」で利用されていたシャトルタンカーも全て制裁対象となった。
昨年10月初め以降に輸出された東シベリア・太平洋(ESPO)原油のおよそ75%は、今や制裁対象に指定された船舶で輸送されていた。
サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」、「サハリン2」で利用されていたシャトルタンカーも全て制裁対象となった。
究極的には、トランプ新政権が制裁をどれほど厳格に執行するかに、ロシアの石油業界が被る影響は左右される。
インドは、バイデン政権が制裁を発表した今月10日以前に予約されたタンカーについては、制裁対象であっても米国が設定した猶予期間が終了する3月12日まで荷揚げを認めると発表した。
ただ、インドの製油会社はロシアが迂回策を見つけるため、影響は一時的であるかもしれないとの認識を示している。
なお、トランプが経営する不動産企業の進出先としてモスクワにもあることから、親ロ政策が優先される可能性が高いトランプ政権が対ロシアで柔軟な姿勢をとるとの期待もある。
ただ、インドの製油会社はロシアが迂回策を見つけるため、影響は一時的であるかもしれないとの認識を示している。
なお、トランプが経営する不動産企業の進出先としてモスクワにもあることから、親ロ政策が優先される可能性が高いトランプ政権が対ロシアで柔軟な姿勢をとるとの期待もある。
中国では10日以降にロシア産原油を積んだタンカーが、初めて荷揚げした。
このタンカー「ザリフ・バイカル」は制裁発表の1日後に荷積みし、約70万トンのサハリンブレンド原油を江蘇省連雲港に輸送した。
このタンカー「ザリフ・バイカル」は制裁発表の1日後に荷積みし、約70万トンのサハリンブレンド原油を江蘇省連雲港に輸送した。
ひとこと
中国とロシアの間にはパイプラインが敷設されており、タンカー輸送のみに注目しても、ロシア産原油や天然ガスの販売量は不明だ。
ただ、中国から国境問題で対立関係にあるインドにロシア産原油や天然ガスが直接渡ることはないだろう。