ジェームズ・ブラッドフォード・「ブラッド」・デロング
(James Bradford "Brad" DeLong)
1960年6月24日生まれ
米国の経済史家であり、 1993年よりカリフォルニア大学バークレー校で経済学の教授を務めている。
デロングは1982年にハーバード大学で社会学の学士号を取得し、 1987年に同大学で経済学の博士号を取得した。
1986年から1987年までMITで講師を務め、 1987年から1993年までハーバード大学とボストン大学で経済学を教えた。
1991年から1992年まで全米経済研究所のジョン・M・オリン研究員を務め、1995年からは同研究所の研究員も務めている。
デロングは1993年にカリフォルニア大学バークレー校に准教授として着任した。
1993年4月から1995年5月まで、ワシントンDCの財務省で
経済政策担当次官補
を務めた。
クリントン政権の財務省職員として、1993年の連邦予算、失敗に終わった
医療保険制度改革
などの政策、および
ウルグアイ・ラウンド関税貿易一般協定
北米自由貿易協定
など、いくつかの貿易問題に取り組んだ。
1997年にバークレー校の教授となり、以来同校に在籍している。
デロング氏は、全米経済研究所(NBER)の研究員、サンフランシスコ連邦準備銀行の客員研究員、アルフレッド・P・スローン研究員を務めた。
デロングはジョセフ・スティグリッツやアーロン・エドリンとともに
エコノミスト・ボイス
の共同編集者であり
ジャーナル・オブ・エコノミック・パースペクティブ
の共同編集者でもある。
また、教科書『マクロ経済学』の著者でもあり
マーサ・オルニー
と共著で第2版を執筆した。
彼はヘザー・ブーシェイ、マーシャル・スタインバウムと共著で『ピケティ以後:経済と不平等の課題』 (2017年)を執筆した。
これは不平等を経済思考にどう取り入れるかを論じた22のエッセイを収録した本である。
彼はさまざまな世界的なトピックに関する解説や分析を出版、配信する国際的な非営利メディア組織
にも寄稿している。
1990年と1991年に、デロングと
は2本の理論論文を共同執筆した。
これらの論文は、サマーズがビル・クリントン政権下で財務長官を務めていたときに実施された
金融規制緩和
の重要な理論的根拠となった。
2019年、デロングは、自分や他の新自由主義者は経済政策の「政治的な点では間違いなく100%間違っていた」と述べた。
彼は「良い漸進的政策」の方が優れているかもしれないと信じ続けた。
そのような目標に向かって取り組む意欲のある共和党員がいないために、
政治的に達成不可能
だと結論付けた。
代わりに、デロングは「炭素税で賄われる全員のためのメディケア、貧困層向けのユニバーサル・ベーシック・インカムの払い戻し、グリーン技術への公的投資」を支持していると述べた。
彼は「世界は、私が過去10年か15年考えていたものよりも、左派が考えていたものに近いようだ」と結論付けた。
デロングは政治経済問題やメディア批評に関するブログを積極的に執筆している。
2022年にはケインズ派の観点から見た20世紀の経済史『Slouching Towards Utopia』を出版した。
デロングはカリフォルニア州バークレーに住んでおり、妻のアン・マリー・マルシアリルはミズーリ大学カンザスシティ校の法学教授(医療法を専門とする)である。