米国のインフレは10月も引き続き堅調な伸びを示した。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア消費者物価指数(CPI)は
前月比+0.3%
と上昇、3カ月連続で同率の伸びとなった。
市場予想に一致しており、インフレ目標の達成を目指す米金融当局者が直面しているリスクを浮き彫りにした。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア消費者物価指数(CPI)は
前月比+0.3%
と上昇、3カ月連続で同率の伸びとなった。
市場予想に一致しており、インフレ目標の達成を目指す米金融当局者が直面しているリスクを浮き彫りにした。
前年同月比では3.3%上昇−予想と一致
なお、総合CPIは前月比0.2%上昇、4カ月連続で同率の伸びとなった。
市場予想に一致
前年同月比では2.6%上昇し、3月以来の伸びが加速した。
ブルームバーグの算出によると、コア指数は過去3カ月の年率ベースでは3.6%上昇し、4月以来の高い伸びとなった。
エコノミストはインフレトレンドの指標として、総合CPIよりもコア指数の方が好ましいと見なしている。
総合CPIの前月比上昇率の半分以上は住居費が占めたと、統計発表元の労働統計局は説明した。
総合CPIの前月比上昇率の半分以上は住居費が占めたと、統計発表元の労働統計局は説明した。
インフレとの闘いが足踏み状態となっていることを今回の数字は浮き彫りにしている。
インフレは全般的には下方傾向をたどりながらも、数カ月にわたって横ばいで推移することもある。
財の価格が過去1年にわたって低下した後、上昇し始めており、住宅コストは堅調な伸びが続いている。
インフレは全般的には下方傾向をたどりながらも、数カ月にわたって横ばいで推移することもある。
財の価格が過去1年にわたって低下した後、上昇し始めており、住宅コストは堅調な伸びが続いている。
ただ、自動車保険は小幅に低下したが、2022年の年初以降では2度目のマイナスにとどまり、消費者の負担が軽減するには至っていない。
米金融当局は今後数カ月にどの程度速いペースで利下げをすべきか議論を進めている。
強い消費や経済成長も踏まえると、今回のCPIを受けて当局は慎重姿勢を維持する見通しだ。
労働市場が冷え込みつつある中、インフレの鈍化が当局の利下げ論拠の重要な要素となってきた。
強い消費や経済成長も踏まえると、今回のCPIを受けて当局は慎重姿勢を維持する見通しだ。
労働市場が冷え込みつつある中、インフレの鈍化が当局の利下げ論拠の重要な要素となってきた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、0.25ポイントの利下げを実施した。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、今回の大統領選は当面の金融政策決定に「何ら影響しない」と回答している。
財政政策が変わる可能性について、その時期や内容を理解するには時期尚早だと指摘した。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、今回の大統領選は当面の金融政策決定に「何ら影響しない」と回答している。
財政政策が変わる可能性について、その時期や内容を理解するには時期尚早だと指摘した。
中古車の価格は前月比2.7%上昇と、この1年余りで最大の伸び。ホテル宿泊費は0.4%上昇。ハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」による被害や避難命令を反映している可能性がある。
航空運賃は上昇が継続。医療保険は0.5%伸びた。労働統計局が保険料の基礎データを変更したことが背景にある。一方、衣料品の価格は新型コロナウイルス禍が始まって以来の大幅低下となった。
米金融当局は賃金の伸びにも注目している。
経済の主要な原動力である個人消費の見通しを占う手掛かりとなり得る。
別の統計によれば、10月の実質平均時給は前年同月比で1.4%上昇と、9月と同率の伸びとなった。
別の統計によれば、10月の実質平均時給は前年同月比で1.4%上昇と、9月と同率の伸びとなった。
消費者や企業のインフレ期待を示す指標は、やや高い水準にとどまっているものもあり、懸念すべき兆候となり得る。
食品とエネルギーを除いた財の価格は2カ月連続で上昇した。
過去1年間の大半において低下していた。
ただ、中古車を除いたコア財価格は0.2%低下し、今年最大の下げとなった。
過去1年間の大半において低下していた。
ただ、中古車を除いたコア財価格は0.2%低下し、今年最大の下げとなった。
医療保険や航空運賃など、強い伸びを示したCPI項目のいくつかは、PCEにそのまま反映されることはない。
今月下旬に発表されるPCE価格統計は、比較的落ち着いた内容になりそうだ。
サービス分野で最大部分を占める住居費は0.4%上昇し、前月から伸びが加速している。
持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃(OER)も0.4%上昇した。
サービス分野で最大部分を占める住居費は0.4%上昇し、前月から伸びが加速している。
持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃(OER)も0.4%上昇した。
ブルームバーグの算出によると、住宅とエネルギーを除いたサービス価格は0.3%上昇した。
前月から伸びが鈍化した。
FRBは全体的なインフレの道筋を見極める上で、こうした指標を確認する重要性を強調しているが、当局は別の指標に基づいてこれを算出している。
前月から伸びが鈍化した。
FRBは全体的なインフレの道筋を見極める上で、こうした指標を確認する重要性を強調しているが、当局は別の指標に基づいてこれを算出している。
当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、CPIほど住居費のウエートが高くない。
PCE価格指数が当局目標の2%に近づきつつあるのは、それが一因だ。
PCE価格指数が当局目標の2%に近づきつつあるのは、それが一因だ。