パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は先進国の中央銀行が景気後退を回避しながら成長にブレーキをかけることに成功すると考える投資家は、5年債を購入するのが良いと勧めた。
ピムコのエコノミスト
ティファニー・ワイルディング氏
とグローバル債券最高投資責任者(CIO)の
アンドルー・ボールズ氏
は「米経済は他の国・地域と同様に、景気後退を伴わずに成長とインフレを緩やかにするという稀有(けう)なソフトランディングを達成しようとしているようだ」として、「政策金利とともに現金同等資産の金利も低下する見通しの一方で、政府の大幅な財政赤字が長期的に長期債利回りを押し上げる可能性がある」と分析した。
ティファニー・ワイルディング氏
とグローバル債券最高投資責任者(CIO)の
アンドルー・ボールズ氏
は「米経済は他の国・地域と同様に、景気後退を伴わずに成長とインフレを緩やかにするという稀有(けう)なソフトランディングを達成しようとしているようだ」として、「政策金利とともに現金同等資産の金利も低下する見通しの一方で、政府の大幅な財政赤字が長期的に長期債利回りを押し上げる可能性がある」と分析した。
ピムコは、金融当局による利下げと、長期にわたって現金同等資産に滞留していた資金が投資されることで、期間5年の債券が「スイートスポット」になると見ているという。
同社のアクティブ運用債券ファンド
ピムコ・インカム・ファンド(PIMIX)
は過去5年の成績が同種ファンドの90%を上回る。
米債券市場は9月まで5カ月連続で上昇し、2019年以来の好調な展開。また、米国債利回りが5%を上回ってからの12カ月で、ブルームバーグ米国総合指数は11%強のリターンを記録した。
しかし、投資家は過去最高の6兆4600億ドル(約960兆円)を米国の
マネー・マーケット・ファンド(MMF)
で保有している。
一方で、歴史的に金融緩和期に好調なパフォーマンスを見せる5年物米国債の利回りは4%をわずかに下回る水準となっている。
このような環境下で、ピムコは5年物債券が価格上昇の恩恵を受ける公算が大きいとの見方を示した。
一方「現金やその他の短期金融商品には再投資リスクが生じる」と指摘した。
一方「現金やその他の短期金融商品には再投資リスクが生じる」と指摘した。
「中央銀行、特に米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を中立水準と推定されるレベルに戻すことに重点を置いている」と、ピムコは9日に公表した今後6−12カ月の循環的見通しの中で指摘した。ピムコは、成長を刺激も抑制もしない米国の中立金利は2−3%のレンジだと見ている。
ピムコは先進国の中央銀行が2025年に1.75−2.25ポイントの利下げを行うと予想している。
日本銀行は例外で「最近の市場の不安定や円高にもかかわらず、緩やかな利上げ」をすると予想されている。
米国のイールドカーブの重要な部分は正常化し、FRBが先月利下げに踏み切ったことで、記録的長期にわたった逆イールドに終止符が打たれた。
11月の米大統領選挙は「イールドカーブがスティープ化するという当社の見方を補強する」とピムコは指摘。関税、特にドナルド・トランプ前大統領が提案したものは、FRBにインフレの課題をもたらすとみられている。
「どちらの政党が大統領選に勝利しても、米国の財政(赤字)が最大の敗者となるだろう」と警告し、「給付金支出の抑制に対する政治的意思の欠如」を挙げた。

