北朝鮮の朝鮮中央テレビは4日、金正恩総書記が特殊作戦部隊の訓練基地を視察したと写真を交えながら報じたうえ、この時、金総書記は韓国の尹錫悦大統領が1日に「北が核兵器を使おうとするならその日がまさに北の政権の終わりの日となる」と演説したことについて、「自らが地域の安全と平和を害する勢力であることを認めた」と非難した。
そのうえで、「敵が、国の主権を侵害する武力の使用を企てるなら、容赦なく核兵器を含む全ての攻撃力を使う」と続けた。
北朝鮮では7日に最高人民会議が開かれ、韓国を「第一の敵対国」と憲法に明記することなどが議論されたという。
ひとこと
北朝鮮の金日成がソ連のスターリンの支援を受けて整えたソ連製戦車や火器弾薬類を宣戦布告なく韓国になだれ込んで始まったのが朝鮮戦争で、釜山近くまで一時は占領し、多数の韓国人を見せしめに処刑して従わせようとしたが、仁川への米軍を主力とする連合国が上陸して形成を逆転させて中国国境まで追撃していった。
こうした動きに、静観を決めていた中国が隣国に民主主義国家が出来るリスクを恐れ、義勇軍という形で参加して消耗戦を繰り返して38度線まで押し戻して膠着した過去がある。
世襲制となっている北朝鮮の独裁的な政治体制を維持するために金正恩が一線を越えて核兵器を使えば、反撃を受けて筋津で消滅してしまうことになる。そのため、中国政府が民主国家が隣国に迫らないよう軍部の集団指導という政治体制にすべくクーデターを起こさせる可能性が高い。
ウクライナに侵攻したロシアへの火器弾薬類の提供で関係が緊密化している北朝鮮の動きは中国外しとも言えるもので、欧米よりも中国が警戒して情報収集しているものだ。
北朝鮮の暴走で北朝鮮が崩壊すれば、中国国内での共産党への反発もこれまで以上に増えてしまい、公安部門が1億人いても抑えきれなくなる可能性が高く、崩壊にすすみかねなくなるだろう。
中国が大混乱になる場合、各軍区が権力争いを繰り返して、人口崩壊していくというのは中国史では何度も見られた出来事だ。
こうした事態に至る前に中国が北朝鮮でクーデターを起こす時期が適切か、あるは遅れるかどうかで様子がまったくことなることになる。
ただ、戦闘車両を動かすにも燃料が必要であり、暗殺等を恐れる金正恩は周りを直属の将兵で固めたうえ、燃料も最小限の配布しかしておらず、戦闘車両を動かすのも難しい状況にしている。
そのため、クーデター等による暗殺も難しいが、逆に、韓国に攻め込むにも砲弾等の移動や燃料の配布が先に必要となり、こうした動きが中国や欧米の諜報活動で把握しやすくなる。
中国も当然、事前の動きを掴ん打時点で燃料などが親中国の将兵の手に渡るためクーデターが実行しやすくなる。
また、暗殺を恐れる金正恩が毎日寝床を変えているとか影武者が多いといった話は有名であり、居所はなかなかつかめない問題もあるが、有事にはある程度の範囲で所在が明確化させることも可能となる。
常に偵察衛生で監視しており、動向の補足情報は西側も中国も手に入れており、ピンポイントは難しいが、ある程度の範囲内での補足であれば、核兵器等を打ち込んだ後に猛爆して黙らせることになるが、直後に中国軍が北朝鮮になだれ込んで政治体制を確立すると言った筋書きが妥当な線とも言えるだろう。
どちらにしても、使えない核兵器を使ってしまえば北朝鮮の政治体制は壊れることを金正恩も理解しているため、恫喝的な暴言が多いのもいわば瀬戸際外交のひとつでしかない。