エスティ ローダー (The Estée Lauder Companies Inc. ESTĒE LAUDER) 米国の多国籍化粧品会社

エスティ ローダー カンパニーズ

　　　(The Estée Lauder Companies Inc.　ESTĒE LAUDER)

　米国の多国籍化粧品会社

　ニューヨーク市マンハッタンのミッドタウンに本社を置く。

　メイクアップ、スキンケア、香水、ヘアケア製品の製造販売を行っている。

　ロレアルに次いで世界第 2 位の化粧品会社。

　同社は、La Mer、Jo Malone London、Clinique、Tom Ford Beautyなど、多様なブランドを所有し、デジタルコマースと小売チャネルの両方を通じて国際的に流通している。

　収益　156億米ドル（2024年）
　営業利益　9億7,000万米ドル（2024年）
　純利益　4億900万米ドル（2024年）
　総資産　217億米ドル（2024年）
　総資本　53.1億米ドル（2024年）

　従業員数　62,000人（2024年）

　
　所有者　ローダー家（株式38%、議決権86%）
　

　1946年にエスティ ローダーと夫のジョセフがニューヨークで化粧品の製造を始めたときに遡及する。

　当初はクレンジング オイル、スキン ローション、スーパー リッチ 万能クリーム、クリーム パックの4つの製品のみを扱っていた。

　2年後の1948年に、彼らはマンハッタンのサックス フィフス アベニューで最初の百貨店取引を開始した。

　その後15年間、同社は製品ラインを拡大し、米国での販売を継続した。

　1960年、同社はロンドンの百貨店ハロッズで初の海外取引を開始した。

　翌年、同社は香港に事務所を開設した。

　1964年、同社は男性用の香水とグルーミング製品のライン

　　　アラミス

を発表した。

　この製品は、もともと媚薬として使用されていたトルコのエキゾチックな植物の根にちなんで名付けられた。

　1967年、エスティ ローダー自身が、ビジネスおよび金融編集者によって米国のビジネス界で活躍する10人の傑出した女性の1人に選ばれた。

　これに続いて、1968年にはイェシーバー大学のアルバート アインシュタイン医科大学からスピリット オブ アチーブメント賞を受賞した。

　その年、同社は再び拡大し、皮膚科医（ノーマン オラントライク博士）が指導する、アレルギーテスト済みの無香料の化粧品ブランドであるクリニークをオープンした。

　エスティ ローダーのクリニークブランドは、1976 年に「スキン サプライズ フォー メン」という別のラインを開始し、男性向けの第 2 ラインを導入した最初の女性用化粧品会社となった。

　このラインは現在も世界中のクリニーク カウンターで販売されている。

　1981 年には、同社の製品がソビエト連邦で販売されるようになった。

　1990年代には、ブランド買収とライセンス契約が爆発的な成長に貢献した。

　同社は家族経営の企業から株式公開された家族経営の組織へと変貌を遂げた。

　この10年間は​​、米国百貨店初のウェルネスブランドである

　　　オリジンズ

の創設で幕を開けた。

　香水の最初のライセンス契約は、1993年にファッションデザイナーのトミーヒルフィガーと締結した。

　その後、イタリアのファッションハウスであるキトン （1995年） 、そしてアメリカのファッションデザイナーであるダナキャラン（1997年）と締結された。

　ブランド買収は1994年にトロントに拠点を置く

　　　MAC Cosmetics

への投資から始まり、同社は1998年に同社を買収した。

　有名なメイクアップアーティストがデザインした

　　　ボビイ ブラウン コスメティックス

は1995年に買収された。

　栄養豊富なミラクル ブロスを含む最高級製品クレーム ドゥ ラ メールのオリジナルレシピも買収された。

　同社は1997年にアヴェダで初のヘアケアおよびホリスティック ビューティー ブランドに進出した。

　フレグランス ハウスの

　　　ジョー マローン ロンドン

は1999年に買収された。

　1995年11月16日、エスティローダーカンパニーズはニューヨーク証券取引所に1株26.00ドル（株式分割後は6.50ドル）で上場した。

　2000年代も買収とライセンス供与は続き、エスティ ローダー カンパニーはヘアサロン「バンブル アンド バンブル」の株式の過半数を取得し、2006年に買収を完了した。

　ファッションデザイナーの

　　　マイケル コース

と独占的な世界ライセンス契約を締結した（2003年）。

　デザイナーの

　　　トム フォード

が同社とのプロジェクトを開始し、後にトム フォード ビューティー ブランドの香水と化粧品を開発・販売する契約を締結した（2005年）。

　2010年7月1日、同社はカリフォルニア州カルバーシティのスマッシュボックススタジオで

　　　ディーン・ファクター

　　　デイビス・ファクター（マックス）

の兄弟によって創設されたブランド、スマッシュボックス・ビューティー・コスメティックス社を買収した。

　2011年10月28日、エスティ ローダー カンパニーズの一部門であるアラミス アンド デザイナー フレグランスと

　　　トリー バーチ LLC

は、トリー バーチのフレグランス事業の独占的世界ライセンスに関する複数年契約を締​​結したことを発表した。

　この提携はトリー バーチが美容業界に進出する第一歩となった。

　トリー バーチの最初のフレグランス製品は2013年に発表された。

　同社は2012年に、創業者であるエアリン ローダーの特徴的なスタイルにインスピレーションを得た、ラグジュアリーライフスタイルの美容とフレグランスのブランド、AERIN Beautyを立ち上げた。

　2014年に同社は、スキンケアブランド「ラグジュアリーフェイスオイル」で知られる

　　　RODIN olio lusso

と、フレグランスとセンサリーライフスタイルブランドの

　　　Le Labo

という2つのインサイダービューティーブランドを買収した。

　同年後半には、アーユルヴェーダ製品を専門とする高級化粧品会社Forest Essentialsの少数株を購入した。

　インドで初の投資を行った。

　2015年には、フレグランスブランドの

　　　Editions de Parfums Frédéric Malle

とハリウッドのスキンケアブランド

　　　GLAMGLOW

を買収した。

　2016年に同社は

　　　ベッカコスメティックス

を買収したが、これは2010年の

　　　スマッシュボックス

以来のカラーコスメグループの買収となった。

　2016年11月には、カリフォルニアに拠点を置く化粧品会社

　　　トゥーフェイスド

を14億5000万ドルで買収し、これまでで最大の買収を行った。

　2004年に韓国で設立された

　　　ドクタージャルト

を2019年に買収した。

　ドクタージャルトは、BBクリームの発明の先駆者であり、多機能美容の基準を確立した。

　2021年、同社はカナダに本拠を置く

　　　デシエムビューティーグループ社

を買収した。

　2022年、エスティローダーはスイスのガルゲネンに30万平方フィートの配送センターを開設した。

　2022年11月、同社はデザイナーファッションハウスの

　　　トム・フォード

を28億ドルで買収し、フォードが少なくとも2023年まではクリエイティブディレクターとして留まると発表した。

　2024年に同社は

　　　メシカ

との提携を発表した。

　2024年6月、エスティ ローダーは

　　　DECIEMビューティー グループ

の買収を完了します。

　
　エスティ ローダー カンパニーズは、COVID-19パンデミックへの対応として、2020年8月20日に全世界で1,500〜2,000人、全従業員の約3％の人員削減を発表した。

　削減対象のほとんどはサポートスタッフと店舗従業員であった。

　同社はまた、店舗の約10〜15％を閉鎖し、店内の美容カウンターを閉鎖し、デジタル業務に重点を置くと発表した。

　エスティ ローダー社には多くのブランドがあり、エスティ ローダーもその 1 つである。

　エスティ ローダーには、単に「顔」と呼ばれることもある、知名度の高いスポークスモデルがいた。

　エスティ ローダーの過去の「顔」には、カレン グラハム、ブルース ボックスライトナー、ショーン ケイシー、ウィロー ベイ、ポーリナ ポリスコヴァ、エリザベスハーレー、キャロリン マーフィー、スーパーモデルのリヤ ケベデ(エスティ ローダー初のアフリカ人「顔」)、アンジャ ルービック、女優のグウィネス パルトロウなどがいる。

　2008 年時点で、エスティ ローダーの主なスポークスモデルはスーパーモデルのヒラリー ローダであった。

　2010 年には、中国人モデルのリウ ウェン、プエルトリコ人モデルのジョアン スモールズ、フランス人モデルのコンスタンス ジャブロンスキーの 3 人が新たにスポークスモデルに加わった。

　2015年、エスティローダーはブランドの宣伝のためにモデルのケンダル・ジェンナーと契約した。

　2017年に同社はヴィオレット・セラットをグローバルビューティーディレクターに任命したことを発表した。

　AC&Rの創設者である

　　　アルヴィン・チェレスキン

は、同社の長年のクリエイティブパートナーであった。

　現在のエスティ ローダー グローバル アンバサダーには、アナ デ アルマス、アマンダ ゴーマン、ビアンカ ブランドリーニ ダッダ、キャロリン マーフィー、グレース エリザベス、イマーン ハマム、カーリー クロス、マヌーシ チラー、ヤン ミーなどがいる。

　2024年に同社は、歌手、ソングライター、女優のIUを初の韓国人グローバル ブランド アンバサダーに任命すると発表した。

　レナード・A・ローダーは名誉会長、ウィリアム・P・ローダーは取締役会長、ファブリツィオ・フリーダは社長兼最高経営責任者である。

　
　ジャネット・サーキシアン・ワグナーは同社の国際事業部長で、1980年代から90年代にソ連と中国が開放され始めると、すぐに同ブランドの製品ラインを両国の女性に紹介した。

　ワグナーの指揮下で、同事業部はエスティ ローダーの小規模で比較的利益の少ない部門から、同社の収益の約半分をもたらす部門へと成長した。

　彼女はベルリンの壁崩壊の1週間後に同社初のソ連支店の開店を監督した。

　ワグナーは同社のために100カ国以上でマーケティング キャンペーンを展開した。

　　

　少なくとも2001年2月以来、エスティ ローダーとそのブランドは、ロナルド ローダーの

　　　親イスラエル活動

を理由に同社を標的とした親パレスチナ活動家によるボイコット運動の標的となっている。

　2003年6月、サンフランシスコを拠点とするクィアズ アンダーマイニング イスラエル テロリズム(QUIT) が「エスティ スローター」キャンペーンでボイコットを提起した。

　なお、このボイコットは、イスラエル支持者による反ボイコット運動を引き起こした。