ノルウェー軍のルネ・アンデルセン統合司令部司令官は、ウクライナ侵攻後も北極におけるロシアの軍事的脅威は高いままだと警告、防空・ミサイル防衛や監視態勢を強化する方針を明らかにした。
アンデルセン氏は、ロシアが2014年にウクライナ南部クリミア半島を一方的に「併合」した後、北極圏に拠点を置く
北方艦隊
を英国や米国の近海にまで派遣するようになったと指摘した。
22年に始まったウクライナ全面侵攻で大きな損害を出す中でも、「ロシア軍は北極圏の海・空戦力をそのまま維持し、以前とほぼ変わらないパターンで活動している」と分析した。
ロシアがノルウェーとの国境地帯などに配置していた陸軍師団はウクライナに送られ、壊滅的損害を被ったとされる。
ただ、アンデルセン氏は「ロシアは戦時経済体制の下、兵器や弾薬を増産しており、より増強されたロシア軍部隊と対峙する将来を想定しなければならない」と警戒感を示した。
国際的孤立を深めるロシアは
北極での資源開発
などで中国との連携を強化している。
昨年は、中国の準軍事機関でもある海警局がロシア連邦保安局(FSB)と協力することで合意した。
アンデルセン氏は「現時点では中国が北極で軍事的存在を拡大していると認識していない」としつつも、「中国は遠洋での作戦活動を可能にする海軍力を急速に伸ばしており、一部は北極や南極で活動するためのものだ」と強調。した「
また、情勢は中ロ両軍が北極でも活動する方向に向かっており、備える必要がある」と述べた。
ひとこと
北極海の凍結期間が短く、船舶の航行が可能となっており、ロシアの北方海軍が北極海を通過して極東に進出することも可能となっている。
また、逆に中国海軍が同様に北極海を航行して欧州に軍事展開することも可能となっており、問題の根は深まるばかりだ。