クーデターで権力を握った「中東の狂犬」とも呼ばれたカダフィーが処刑された以降のリビアでは強力な統治者が消え、国が東西に分裂して各部族勢力による権力闘争が続いている。
リビアの西部政府はカビール氏の更迭を決定し、これに反発した東部政府が原油生産を削減していた。
リビアのカビール中央銀行総裁は、問題を解決し石油生産の再開につながる合意が迫っている様子だと語った。
リビアのカビール中央銀行総裁は、問題を解決し石油生産の再開につながる合意が迫っている様子だと語った。
この渦中にあるカビール氏は3日、現在の行き詰まりを打破するため東西勢力間の合意が近づいているという「強い」兆しがあると続けた。
リビアで対立する勢力の和解が実現すれば、世界の市場に日量50万バレル余りの石油供給が戻る道が開かれることになる。
石油輸出国機構(OPEC)の一部加盟国が削減していた生産の一部を回復しようと準備している時期でもあることから、3日のロンドン市場では北海ブレント原油先物が一時5%を超える下げとなり、年初来の上昇を解消した。
石油輸出国機構(OPEC)の一部加盟国が削減していた生産の一部を回復しようと準備している時期でもあることから、3日のロンドン市場では北海ブレント原油先物が一時5%を超える下げとなり、年初来の上昇を解消した。
カビール総裁含む中銀職員は
武装勢力の脅し
を受けてリビアを出国しており、トルコのイスタンブールでメディアのインタビューに応じたもの。
自身が合意の一部となることに自信を示し、帰国の用意があるとも語った。
武装勢力の脅し
を受けてリビアを出国しており、トルコのイスタンブールでメディアのインタビューに応じたもの。
自身が合意の一部となることに自信を示し、帰国の用意があるとも語った。
リビアでは隣国チュニジアで起きた
ジャスミン革命
の影響を受け、2011年2月、カダフィーの退陣を求める欧州の影響を受けた大規模な反政府デモが発生した。
国民に対し徹底抗戦を扇動した欧米を中心とした軍事介入と、欧州に武器等を援助された旧王党派などの反カダフィー派の蜂起を招き、2011年8月24日までに反政府勢力により首都全土が制圧され、政権は事実上崩壊した
権力を握る各勢力によるリビア内戦が展開するなか、同年8月に事実上政権が崩壊した後も抗戦を続け各地で抵抗してきたカダフィーも、9月21日には評議会軍が南部サブハを制圧、更に10月17日にバニワリドを制圧したため、旧政権派の最後の拠点であったスルト周辺で逃走中に民兵組織に拘束され、見せしめに私刑の形で銃殺された映像が世界に流れた。
ユーゴの独裁者チャウシェスクの末路と同じだ。