フレデリック・エイドリアン・デラノ(Frederic Adrian Delano II) 米国の鉄道社長であり、1914年から1916年まで連邦準備制度理事会の第一副議長

フレデリック・エイドリアン・デラノ

　　　　　　　　　(Frederic Adrian Delano II)　

　　　1863年9月10日 - 1953年3月28日

　米国の鉄道社長であり、1914年から1916年まで連邦準備制度理事会の第一副議長を務めた。

　副議長の任期後も、デラノは1918年まで連邦準備制度理事会(FRB)の理事を務めた。

　デラノは香港で生まれた。

　彼はウォーレン・デラノ・ジュニアとキャサリン・ロビンズ・ライマンの息子としてデラノ家の一員であった。

　彼はウォーレン・デラノ4世とサラ・アン・デラノの兄弟であり、排日政策で原油・鉄鉱石の輸出禁止措置などで日本を太平洋戦争に引き込んだ米国大統領

　　　フランクリン・デラノ・ルーズベルト

の叔父にあたる。

　兄のウォーレンと同様に、彼は1885年にハーバード大学を卒業した。

　
　ハーバード大学卒業後、デラノは

　　　シカゴ・バーリントン・アンド・クインシー鉄道

に勤務し、土木技師からシカゴの総支配人にまで昇進するなど、様々な役職を歴任した。

　一時期、フィリピン諸島の鉄道に関して米国陸軍省の顧問技師を務めた。

　1905年、ホイーリング・アンド・レイク・エリー鉄道、ワバッシュ・ピッツバーグ・ターミナル鉄道、ワバッシュ鉄道の社長に就任した。

　1911年、デラノは

　　　ワバッシュ鉄道

の管財人の一人に任命された。

　1913年にはフェアファックス・ハリソンの後任としてモノン鉄道の社長に選出された。

　1907年にはアメリカユニテリアン協会の副会長を務めた。

　彼の演説は「時宜を得た疑問」（1911年）と「鉄道は公平に扱われているか」 （1913年）というタイトルで出版された。

　また、影響力のある国立首都公園計画委員会の委員長でもあり、ペンタゴンの建設の承認と監督に協力した。

　甥のルーズベルトが大統領在任中は、特に土地保全と地域計画の問題に関して非公式の顧問を務めていた。

　
　デラノはシカゴ商業クラブを通じて慈善活動を行っており、甥の大統領政策に大きな影響を与えたと言われている。

　デラノはニューヨークとその近郊の地域計画委員会の委員長を務めていた。

　同委員会は1929年5月27日にニューヨークの地域計画を発表した。

　デラノは、19世紀から20世紀にかけてシカゴの発展に影響を与えたシカゴ商業クラブの会員でもあった。

　デラノは連邦準備制度理事会と国家資源計画委員会の初代副議長を務めた。

　ワシントンDCのカロラマ地区の2244 S Street NWにある彼の家は、 1924年に

　　　ワディ・バトラー・ウッド

によって設計され、アイルランド大使公邸として現存している。

　
　1888年、フレデリックはマチルダ・アン・ピーズリー（1867-1953）と結婚した。

　二人の間には5人の子供（全員娘）が生まれた。

　・キャサリン・ライマン・デラノ（1889年 - 1951年）

　　　アレクサンダー・ゴールト・グラントと結婚した。
　・ルイーズ・デラノ（1891年 - 1923年）

　　　アメリカ陸軍工兵学校の校長シャーウッド・チェイニー（1873年 - 1949年）と結婚した。
　・ローラ・デラノ（1893–1978）

　　　ジェームズ・ローレンス・ホーテリング（1883–1962）と結婚した。

　　　彼の妹ジョセフィン・ホーテリングは金融業者

　　　　　フランク・グレイ・グリズウォルド

　　　と結婚した。
　若くして亡くなったマチルダ・デラノ（1899年 - 1911年）。
　若くして亡くなったアリス・デラノ（1903年 - 1904年）。
　デラノは1953年3月28日にニューヨーク州ニューバーグで亡くなった。