バイデン米大統領が選挙戦から退き
ハリス副大統領
が民主党大統領候補の指名を確実にしたことで、共和党の
トランプ前大統領の陣営
では、バイデン氏を
弱々しい候補と呼ぶ従来の戦略
を練り直し、トランプ氏より20歳若いハリス氏を攻撃する
「キャッチフレーズ」
を作り出そうと必死な状況にあるという。
が民主党大統領候補の指名を確実にしたことで、共和党の
トランプ前大統領の陣営
では、バイデン氏を
弱々しい候補と呼ぶ従来の戦略
を練り直し、トランプ氏より20歳若いハリス氏を攻撃する
「キャッチフレーズ」
を作り出そうと必死な状況にあるという。
選挙日まで約100日、州によっては投票開始まで2カ月を切る状況となっているトランプ氏(78)には、数日前に現れたハリス氏を明確に定義する時間がほとんどない。
メキシコ国境に関するオンライン会見やテレビ出演、自身のソーシャルメディアプラットフォームを通じて、新たなメッセージを今週幾つか試したが反応は鈍いままだ。
メキシコ国境に関するオンライン会見やテレビ出演、自身のソーシャルメディアプラットフォームを通じて、新たなメッセージを今週幾つか試したが反応は鈍いままだ。
トランプ氏は、ハリス氏(59)を「サンフランシスコを破壊した弱い検事」「岩のように愚か」「史上最悪の国境担当」と非難する罵詈雑言は岩盤支持層以外に波及する流れを引き起こす状況にはなっていない。
また、ハリス氏の笑い声をからかい、「ラフィン・カマラ 」と 「ライイン・カマラ 」という二つのあだ名を広めた程度で、劇場型政治家の限界だろう。
また、ハリス氏の笑い声をからかい、「ラフィン・カマラ 」と 「ライイン・カマラ 」という二つのあだ名を広めた程度で、劇場型政治家の限界だろう。
共和党の一部下院議員らは、ハリス氏をダイバーシティー(多様性)とエクイティー(公平性)、インクルージョン(包摂)の頭文字を取った
「DEI」 採用
と呼び、有色人種の女性だから副大統領になれたとの見方を暗に示した程度の話しか聞かれない。
「DEI」 採用
と呼び、有色人種の女性だから副大統領になれたとの見方を暗に示した程度の話しか聞かれない。
ハリス氏は選挙戦の事実上の第一声となる演説で、元検察官という自らのキャリアを通じて、「ドナルド・トランプのようなタイプを知っている」と言及した。
大統領経験者として史上初めて重罪で有罪評決を受けたトランプ氏と、犯罪者と対峙してきた元検事の自分を対比させる当然の演出はゴロツキ政治家と正義の味方を対比させる効果化もある。
大統領経験者として史上初めて重罪で有罪評決を受けたトランプ氏と、犯罪者と対峙してきた元検事の自分を対比させる当然の演出はゴロツキ政治家と正義の味方を対比させる効果化もある。
トランプ氏は郊外在住の女性や若年層、黒人、ヒスパニック系の支持を得たいと望んでいる。
しかし、ハリス氏への悪口を繰り返すことで、これら有権者の離反を招く危険がより高くなる。
人種差別や性差別に踏み込む攻撃は、トランプ氏が大統領候補の指名を受諾した全国大会で、共和党が発信しようとした団結のメッセージも損ないかねないリスクがあるが、発言を封印したとしても、議会議事堂への乱入などを扇動し、米国市民の団結よりも対立軸を選択したトランプとの対比を強く浮き出させることになる。
しかし、ハリス氏への悪口を繰り返すことで、これら有権者の離反を招く危険がより高くなる。
人種差別や性差別に踏み込む攻撃は、トランプ氏が大統領候補の指名を受諾した全国大会で、共和党が発信しようとした団結のメッセージも損ないかねないリスクがあるが、発言を封印したとしても、議会議事堂への乱入などを扇動し、米国市民の団結よりも対立軸を選択したトランプとの対比を強く浮き出させることになる。
エモリー大学名誉教授で、政治学者の
アラン・アブラモビッツ氏
はメディアの取材で「共和党のメッセージには、それがやぶ蛇となり、不公正で性差別的と受け取られかねないリスクが存在する」と見解を明らかにした。
アラン・アブラモビッツ氏
はメディアの取材で「共和党のメッセージには、それがやぶ蛇となり、不公正で性差別的と受け取られかねないリスクが存在する」と見解を明らかにした。
トランプ氏によるハリス氏に向けられた辛辣な言葉は、大統領候補の指名が今や確実となった同氏の出現が、2024年大統領選にとっていかに番狂わせの展開だったか物語る出来事となってしまった。
トランプ氏陣営はバイデン氏の年齢や移民問題、経済運営の実績に疑問を呈し、対決を準備していたためだが、7月終盤の今回の交代劇でトランプ氏陣営は不意を突かれたこととなり、メッセージを書き換える必要が出てきた。
トランプ氏が吐いた大統領に対する暴言がブーメランとなって自らに向かうという自業自得な状況とも言える。
トランプ氏陣営はバイデン氏の年齢や移民問題、経済運営の実績に疑問を呈し、対決を準備していたためだが、7月終盤の今回の交代劇でトランプ氏陣営は不意を突かれたこととなり、メッセージを書き換える必要が出てきた。
トランプ氏が吐いた大統領に対する暴言がブーメランとなって自らに向かうという自業自得な状況とも言える。
NPR/PBSニュース/マリストの最新世論調査によれば、ハリス氏とトランプ氏は統計上は互角だが、無党派層の5人に1人が「投票先を決めていない」と回答しており、ハリス氏が新たな支持を獲得する兆候がうかがえる。
この数値がバイデン氏が撤退を決断する前の割合は4%にとどまっていたが25%に変化したということになる。
この数値がバイデン氏が撤退を決断する前の割合は4%にとどまっていたが25%に変化したということになる。
バイデン氏がもはや再選を目指さない今の方が、黒人有権者は投票に出向く可能性が高いことも明らかになっている。
これは重要な激戦州の有権者を奪い合う両陣営の計算を変える可能性が高い。
トランプ氏陣営は、バイデン氏への熱気を欠く状況が低い投票率につながると期待しており、共和党支持層にアピールしつつ黒人男性やヒスパニック系のコミュニティーに支持を広げる戦略をもくろんでいた。
トランプ氏陣営は、バイデン氏への熱気を欠く状況が低い投票率につながると期待しており、共和党支持層にアピールしつつ黒人男性やヒスパニック系のコミュニティーに支持を広げる戦略をもくろんでいた。
そうした目標の達成は今や難しくなっており、ハリス氏陣営の
ジェニファー・オマリー・ディロン選挙対策委員長
は、全有権者の7%が投票先を決めておらず、ハリス氏への支持を説得できるのではないかと最新の内部文書で指摘した。
ジェニファー・オマリー・ディロン選挙対策委員長
は、全有権者の7%が投票先を決めておらず、ハリス氏への支持を説得できるのではないかと最新の内部文書で指摘した。
ひとこと
米国人へのアピールとして、苦労人のハリス氏と金持ちの息子で13歳までは父が運営委員を務めるフォレスト・ヒルズ地区の学校に通っていたが、繰り返される不良行為が原因で、陸軍幼年学校のひとつニューヨーク・ミリタリー・アカデミーに転入させられた、トランプ氏のどちらを選択するかという構図であり、劇場型政治家としてアドリブで聴衆を扇動する能力はあるとしても、両者が激として討論する場合にはメッキが剥がれ、衆目を集めてしまうだろう。