日本政府と国際協力機構(JICA)は9日、日本の建設機械メーカー「日建」(山梨県南アルプス市)が開発した地雷除去機4台をウクライナの首都キーウ(キエフ)でウクライナ非常事態庁に引き渡した。
ウクライナの復旧を支援する総額約910億円に上る無償資金協力の一環。
地雷除去機の提供は初めてで、今後、年内に計20台程度が届けられる予定という。
当初は8日に予定していたが、ロシア軍が同日、ウクライナ各地に
大規模ミサイル攻撃
を仕掛け、キーウでも子供3人を含む少なくとも27人が死亡したため、引き渡し式典参加者の安全を考慮し、急きょ延期された。
キーウ市は9日を犠牲者の冥福を祈る「追悼の日」とした。
建設機械メーカーが製造した地雷除去機は、ウクライナでは初めて導入されるショベルカータイプのもの。
アーム先端部を交換することでがれき除去や樹木伐採など多目的に使えるのが特徴のもの。
なお、同社の地雷除去機はカンボジアやアフガニスタンでも活躍している。
ウクライナ政府によると、ロシアとの戦闘が続く東・南部を中心に国土の約4分の1に当たる14万平方キロ超が地雷や不発弾で汚染され、「取り除くのに数十年かかる」(高官)という。
日本政府は6日、地雷除去の経験を生かし、被害に直面する国を支援する政策を打ち出した。