新興国市場では
金融政策よりも、優れた政府の方が重要
だとのシグナルを債券投資家は発している。
だとのシグナルを債券投資家は発している。
4月に入って以降、投資家は政府が財政政策を緩和している
高利回り国の債券
をさらに積極的に売り始めた。
一方で、財政への警戒を促している国の債券は、低利回りあるいはマイナス利回りであっても意欲的に購入している。
高利回り国の債券
をさらに積極的に売り始めた。
一方で、財政への警戒を促している国の債券は、低利回りあるいはマイナス利回りであっても意欲的に購入している。
この傾向は第2四半期(4−6月)のパフォーマンスに表れている。
3月までの2年間にわたって、新興国債券の投資家は高い利回りを追い求め、最もタカ派的な中央銀行を持つ国々が最高のリターンをもたらしていた。
3月までの2年間にわたって、新興国債券の投資家は高い利回りを追い求め、最もタカ派的な中央銀行を持つ国々が最高のリターンをもたらしていた。
メキシコの債券のリターンはこの期間に37%。ブラジルは22%、ポーランドとコロンビアは18%だった。
また、トルコやアルゼンチン、南アフリカ共和国などパフォーマンスが悪かった国は、金融政策がハト派的過ぎるとみなされ、懲罰を受ける格好となった。
また、トルコやアルゼンチン、南アフリカ共和国などパフォーマンスが悪かった国は、金融政策がハト派的過ぎるとみなされ、懲罰を受ける格好となった。
その後、為替のボラティリティーが再燃し、マネーマネジャーは方針を変更した。
キャリー戦略が巻き戻され、米国債に対するドル建て国債の上乗せ利回りが四半期ベースで2022年以来最大の上昇を記録する中、リスクプレミアムが再び重要視されるようになった。
キャリー戦略が巻き戻され、米国債に対するドル建て国債の上乗せ利回りが四半期ベースで2022年以来最大の上昇を記録する中、リスクプレミアムが再び重要視されるようになった。
今は厳格な財政政策を選択している政府が最も報われており、例えばアルゼンチンは、現地通貨建て債券のパフォーマンスで4−6月期にトップとなった。
ミレイ大統領が挫折を乗り越え、財政目標の達成とインフレの抑制につながる税制措置の承認を獲得したことが背景にある。
ミレイ大統領が挫折を乗り越え、財政目標の達成とインフレの抑制につながる税制措置の承認を獲得したことが背景にある。
これと同様に、エジプト国債もシシ大統領が経済改革の準備を進めていることの恩恵を受けている。投資家は財政の正常化に回帰したトルコも評価している。
アルゼンチンやトルコ、エジプトなどパフォーマンス上位国は、いずれも財政改革に取り組んでおり、その対極にあるのは財政赤字が拡大している国で、メキシコやブラジルなどがこれに当たる。