ロシアはイラン大統領選の結果にかかわらず、ロシア軍の兵站線の一部を担う
軍事・エネルギー協力の路線
を維持したい考えを示している。
プーチン大統領は、勝利した改革派
ペゼシュキアン元保健相
に祝意を示すべく、近く電話会談するとみられ調整が行われている。
プーチンの停戦条件はウクライナの敗北を認めるものでしかないため、そもそも停戦合意が不可能な条件が並べてある。
停戦の道筋が立たず、ウクライナ侵攻がさらに長期化するのが必死な中、継戦には兵站線として安定した兵器調達が必要となっている。
ロシアにとってイランは北朝鮮と並び、
弾道ミサイル
無人機 など
を供給してきた友好国で、西側諸国との距離感を注視することになりそうだ。
プーチン氏は、イランのモフベル大統領代行と電話を重ねており、4日にカザフスタンで会談した。
選挙結果に関係なく「両国関係が強化されると確信している」と伝えており、モフベル氏は、最高指導者ハメネイ師の言葉として「政府のいかなる変化も関係を損なわない」と応じた。
ロシアとイランは、シリア内戦では
アサド政権
を支援して共闘しており、西側諸国から経済制裁を受け、米国に対抗する立場も共通している。
イランの強硬派でもあったライシ大統領が死亡したヘリコプター事故では、制裁による部品不足が改めて指摘された。
ロシアでも同じ問題が起こりかねないが、ペレストロイカ以降のロシアの資産を食い荒らしてきた新興財閥との関係が強いプーチンの姿とイラン政治とは異なる部分も大きく、蜜月となるかどうかは不明だ。