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2024年06月26日

フランス混乱で新たなEU共同債発行構想をドイツが押し切り頓挫

 欧州連合(EU)では
   防衛など重要なプロジェクト
の資金源とするため
   新たな共同債
を発行する構想が浮上していた。
 この動きに反対するドイツなどが目論む計画阻止が成功しつつある。

 この事情を知る関係者がメディアの取材で匿名を条件にして明らかにしたところによると、EU加盟国首脳が
   今後5年間の最優先課題
を協議する27日のサミットで、いわゆる
   防衛債は議題とならない公算
が大きいと述べ、共同債の議論をつぶそうとする動きはフランスの混乱にも助けられたと、私的な会話だとして述べたということが市場に伝わった。

 これまでEU首脳が合意に取り組んでいるのは
   中国や米国との貿易摩擦
やウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領、トランプ前米大統領がホワイトハウスに返り咲く可能性に対抗できる戦略であり、これと同時に、経済成長と脱炭素を促進する方法を探っているEUでは、共同債発行が一つの解決策として挙がっていた。

 だが、こうした熱い期待は6月に行われた
   欧州議会選挙
でプーチン氏に友好的で気候変動対策に懐疑的なフランスのルペン氏が率いる極右集団の躍進により、冷や水を浴びせられた。

 今回の首脳会談で、フォンデアライエン欧州委員長は2期目の指名を受ける見通し。
 ただ、政治的な状況から共同債のような議論の分かれる案を推進することには慎重になることが予想されている。
 欧州議会選のわずか数日後にMSCIがEUとして共同発行した既発債を政府債インデックスに加えないと決定し、共同債に対する投資家の意欲も減退していた。

 EU戦略文書の草案では、EUは防衛費増額の財源に「革新的な選択肢」を活用し、他国と競争できるよう
   「大規模な集団的投資努力」
を必要としていると記載されているが、共同債への言及はない状況にあリ具体的な内容とはなっていないようだ。

 数週間以内にEUの競争力強化について報告書を発表するイタリアの
   ドラギ前首相
は、これまでイタリア経済への圧力のリスクヘッジとなるため、長きにわたる共同債の支持者だ。
 だが、ドラギ氏ですらその報告に共同債への言及を盛り込むか疑問符が付くと、同氏に近い関係者は語った。

 かつてはタブー視されていたEU共同債だった。
 しかし、新型コロナウイルスのパンデミックからの復興目的として、初めて大規模な発行が首脳間で2020年に合意され、国際資本の描くロードマップが一歩進んで政治的な影響を削ぐ目論見が崩れかけているようだ。
 
    
posted by まねきねこ at 08:00| 愛知 | Comment(0) | イベント 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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