米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は28日のロンドンでのイベントで、「利上げを選択肢から完全に排除した人は誰もいないと思う」と発言した。
また、「利上げを実施する確率はかなり低いが、選択肢からは何も排除したくない」と述べた。
米金融当局の政策スタンスは景気抑制的だが、追加利上げの可能性を完全に排除したわけではないとの考えを示した。
米金融当局の政策スタンスは景気抑制的だが、追加利上げの可能性を完全に排除したわけではないとの考えを示した。
これに先立つCNBCとのインタビューでの発言を繰り返した格好だ。
同インタビューでは、利下げを正当化するほどインフレが鈍化しているかどうか、政策当局は時間をかけて注視すべきだとの認識を示していた。
同インタビューでは、利下げを正当化するほどインフレが鈍化しているかどうか、政策当局は時間をかけて注視すべきだとの認識を示していた。
また、「賃金の伸びは、最終的に2%のインフレ目標と整合的と思われる水準に比べてまだかなり堅調だ」と指摘したうえ、新たな政策決定を下す前に、「需要にどれほどの下押し圧力がかかっているか見極める時間はある」と続けた。
連邦公開市場委員会(FOMC)は6月11−12日の会合で政策金利を23年ぶり高水準に維持すると広く予想されている。
聴衆からの質問を受けた同氏は、3月FOMC以降のディスインフレのプロセスには確信が持てないと語り、「結論を出す前に次のFOMCまでに得られるデータをすべて入手したい」とした上で、「年内に2回より多い利下げを想定しないことは確かだ」と述べた。同氏は3月時点では年内2回の利下げを予想していた。
また、米国経済へのリスクとして商業用不動産市場でのストレスを指摘。このセクターで「大きな損失」を予想しており、そうした損失が発生する場所にはサプライズが起きる可能性が高いと述べた。