神田真人財務官は24日(イタリア時間)、足元の為替相場について「無秩序な為替の動きは経済に悪影響を与える」として、「過度な変動があれば適切な行動を取る」とあらためて表明した。
主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議のため訪問中のイタリア・ストレーザで記者団の質問に答えた。
神田財務官は米国を含め各国当局と緊密に連絡を取り合っていると述べ、介入がまれであることが望ましいのは言うまでもないした上で必要な場合には適切に対応すると強調した。
財務官は「とりわけ米国とはこれまで極めて緊密な意思疎通を続けてきた」と説明。安定的に相場が推移している限り介入は必要ないとし、「まれであることが望ましいのは言うまでもない」と述べた上で、「過度な変動が投機などで発生して経済に悪影響を与える場合には、適切な措置を取る必用がある」と言明した。
為替市場の変動には引き続き注意が必要だとし、「今後も必要に応じていつ何時でも適切な措置をとっていきたい」と話した。
ただ、イエレン米財務長官は23日、為替介入はめったに使用されない手段であるべきで、介入に踏み切る際には十分な警告が発せられる必要があるとの考えをあらためて述べていた。
米国政府に忖度する日本政府は為替介入の有無について「ノーコメント」のスタンスしか取れず、4月29日に34年ぶりの1ドル=160円台に達して以降、政府・日銀は円買い介入を2回実施したとみられているが、米国政府への事前通告をイエレンから警告されており、手足が縛られた状態だ。