資産家ドラッケンミラー氏らは「マグニフィセント７」を売却し利益を確定

　資産家スタンレー・ドラッケンミラー氏とデービッド・テッパー氏の投資会社はいずれも、今年の米株高を推進してきた「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大型ハイテク株を売って利益を一部確定した。

　ドラッケンミラー氏のデュケーヌ・ファミリーオフィスは１−３月（第１四半期）に44万1000株余りのエヌビディア株を売却し、持ち分は約１億5900万ドル（約246億円）相当になった。
　
　また、テッパー氏のアパルーサはアマゾン・ドット・コムとマイクロソフト、メタ・プラットフォームズの持ち株を減らした。
　ただ、この３銘柄は引き続き同社のポートフォリオで上位を占めており、いずれも規制当局への届け出文書で明らかになった。

　デービッド・ボンダーマン氏のワイルドキャット・キャピタル・マネジメントもメタ株を売却し、ポジションは2370万ドル相当になった。
　
　マイケル・プラット氏のブルークレスト・キャピタル・マネジメントは、エヌビディアとアマゾンの持ち株を全て売却し、アルファベットの持ち株を減らした。

　これらの動きは、自社株で利益を確定させたハイテク大手の幹部らの行動と通じるものがある。
　これら銘柄の株価は、その多くがこの数週間に過去最高値を更新しており、一旦踊り場に向かう動きになっているようだ。
　
　欧米の富豪らがスタートアップ企業としてこれまで多くの資金を投入してきた分野の１つでもあるマグニフィセント・セブンはアルファベットとアップル、テスラ、マイクロソフト、アマゾン、メタ、エヌビディアで構成し、昨年10月下旬からの11兆ドルに相当する米株価上昇に貢献してきた。

　１億ドル以上を運用するファンドは、各四半期終了から45日以内に保有銘柄の情報開示を義務付けられている。
　そのため、一般投資家はヘッジファンドやファミリーオフィスなど秘密主義の金融機関が有するポートフォリオを垣間見る機会を提供している。
　なお、届け出文書には米国内の保有銘柄のみが記載され、デリバティブやショートポジションは除外されており、視点を変えれば更に多く売り越している可能性もある。