ローン担保証券はCollateralized Loan Obligationの和訳 略称ではCLO
資産担保証券の一種で、金融機関が事業会社などに対して貸し出している
貸付債権(ローン)
を証券化したもの。
ローンの元利金を担保にして発行される債券のこと。
金融機関にとっては、元来流動性の劣る貸出資産を、ローンより市場性の高い債券の形態にすることができ、より機動的に資金を調達することができるというメリットがある。
金融機関がローンを特別目的会社に譲渡し、特別目的会社が債券を組成し、投資家がこれを購入するという仕組み。
金融機関がローンを特別目的会社に譲渡し、特別目的会社が債券を組成し、投資家がこれを購入するという仕組み。
そして、ローンからの元利金を投資家が受け取るという仕組みが一般的で、金融機関は保有するリスクをヘッジしほぼゼロにして、手数料を稼ぐ事ができる。
CLOでは、シニア債・メザニン債・劣後債といった支払優先順位の異なる数種類の債券が組成される。
CLOでは、シニア債・メザニン債・劣後債といった支払優先順位の異なる数種類の債券が組成される。
ローンからの元利金は支払優先順位の高い順に支払われ、リスクの高いものほで金利は高くなる。
そのため、発行体が同一であっても、階層の異なる債券ごとに、それぞれ異なった格付けが付与される。
CLOは、リスク・リターンの選好が異なる様々な層の投資家に対して、投資機会を提供することができ、個別企業の発行する債券にはない投資機会を提供することができるとされている。
なお、リーマンショックを引き起こしたサブプライム住宅ローン危機の結果、モーゲージ債または CLO の形での融資需要はほぼ停止し、2008 年と 2009 年の発行はごくわずかであった。
その後、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのアナリストのデータによると、米国のローン担保ローン市場は2012年に生まれ変わり、新規発行CLO量は前年の4倍となり、552億ドルに達した。
バークレイズ、RBS、野村などの大手企業は、信用危機以前から初めての取引を開始している。
また、投資手段としてのCLOに対する市場の信頼の回復を反映して、 Onex、Valcour、Kramer Van Kirk、Och Ziffなどの小規模企業もCLO市場に初めて参入した。
それ以来、CLO発行額は急増し
金利上昇
とトレンドを下回る
デフォルト率
の組み合わせにより、米国における2013年通年のCLO発行額は819億ドルに達した。
これはリーマン以前の2006〜2007年以来の最高額である。
米国の CLO 市場は 2014 年にさらに勢いを増し、発行額は 1,241 億ドルとなった。
これまでの記録だった 2006 年の 970 億ドルを軽く超えている。
投資家が2016年末に発効される
新しいリスク保持規則
に注目したため、2015年にはCLOの発行量が減少した。
これらの(リスク保持ルール)規則は、(売り逃げを予防する措置として)とりわけ、運用会社に全体の規模の5%を保持することを要求している。
その結果、CLOの発行額は2015年には973億4,000万ドルまで減少し、年末には大幅に減速した。
その後、レバレッジド・ローンとして2016年初めの数カ月にはほとんど閉鎖されてしまった。
リスク保持ルールに対応して、サンカス・キャピタル・マネジメントは適用証拠金リセット (AMR)プロトコルを開発した。
これにより、2016 年 12 月より前に発行された取引に対するリスク保持ルールに準拠する必要がなくなった。
2018年2月、米国コロンビア特別区巡回区控訴裁判所は、CLOマネージャーはもはや5%のリスク保持ルールに従う必要はないとの判決を下した。