パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント(Pershing Square Capital Management) キャピタルファンド

パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント

　　　　　　(Pershing Square Capital Management)

　1992年ゴッサム・パアートナーズを共同創業していた

　　　アックマン

は2004年に、個人ファンドからの5,400万ドルの資金と

　　　ルーカディア・ナショナル

からのシード投資で

　　　パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント

を創設し運用を開始した。

　アックマン氏は、従来の金融分野以外の人材を雇用することで知られている。

　たとえば、採用してきた専門家には、元フライフィッシングガイド、元テニスプロ、そして「タクシーの中で会った男性」が含まれている。

　2014 年 10 月、アックマンは英国を拠点とするクローズドエンド型ファンド

　　　パー​​シング・スクエア・ホールディングス

をロンドン証券取引所に設立した。

　パーシングでは、マクドナルド、ウェンディーズ、ハーバライフに対するアクティブ・キャンペーンを開始した。

　2005年、パーシングはファストフードチェーン

　　　ウェンディーズ・インターナショナル

のかなりの株を買収し、傘下にあるティムホートンのドーナツチェーンを売却するよう圧力をかけることに成功した。

　ウェンディーズは2006年にカナダのレストランドーナツチェーンをIPOを通じて独立させた。

　この売買でウェンディーズの投資家のために6億7000万ドルを調達した。

　経営継承をめぐる争いの後、アックマン氏が多額の利益を上げて自社株を売却した。

　その後、株価は暴落し、最も急成長しているウェンディーズ部門を売却したことにより同社の市場での地位が低下したとの批判が高まった。

　アックマンは業績不振の原因を新CEOの責任として転嫁した。

　2007年12月、アックマンのファンドは株式とデリバティブの購入を通じ

　　　ターゲット・コーポレーション

の株式10%を42億ドル相当で所有した。

　2009年までに、ターゲットの保有株は7.8%に減少させた。

　2010年12月、アックマンのファンドは

　　　ボーダーズ・グループ

の株式の38%を保有した。

　2010年12月6日、アックマンはバーンズ・アンド・ノーブルの買収に9億ドルで融資する意向を示した。

　2009年1月9日、 SECに提出された文書によると、ファンドは

　　　ゼネラル・グロース・プロパティーズ（GGP）

の7.4%の所有権を明らかに、ブルックフィールド・アセット・マネジメントに次ぐ第2位の株主となった。

　ファンドは株主を無傷で残す形で会社が破産することに賭けていた。

　2010年11月、パーシング・スクエアは同社が連邦破産法第11章の保護から脱却するのを支援した。

　2012年8月の時点で、ファンドはゼネラル グロースの株式の 7.7 パーセントの受益所有権を保有していた。

　2010年、パーシング・スクエアはJCペニーとカナディアン・パシフィック鉄道の株式を大量に取得したと報告した。

　2012年7月、アックマン氏は大手メディアCNBCの取材に対し、社内でアクティビストの役割を果たすつもりで

　　　プロクター・アンド・ギャンブル

の株式1%にあたる約18億ドル相当の株式を取得したことを認めた。

　パーシング・スクエアは後にプロクター・アンド・ギャンブルの株式を削減した。

　なお、その株式は2013年末までに約6,000万ドルと評価されていた

　2012年12月、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントはパーシング・スクエア・ホールディングスと呼ばれる新しいクローズドエンド ファンドを立ち上げた。

　2014年10月のアムステルダムのユーロネクスト株式市場でのIPOで30億ドルを調達した。

　PSHは67億ドル相当のクローズドエンド型ファンドであり、投資家が直接資金を引き出すことができない恒久的な資本手段として設計された。

　PSH は、アックマン氏の経営下での設立以来（2012年12月から2017年11月まで）17.1%の収益を報告した。

　ただ、S&P500を80%下回った水準だった。

　パーシング・スクエアは2013年8月27日付の声明で、同社が当時所有していたJCペニー株3910万株を1株当たり12.90ドルで清算するためにシティグループを雇い、その結果約5億ドルの損失が生じたと報告した。

　2016年の第1四半期に、このヘッジファンドは

　　　ヴァリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル

の株式9%を保有していたこともあり、25% という「四半期としては過去最大の損失」を経験した。

　2016年3月にヴァリアントの取締役会に加わったアックマン氏は、2015年8月以来の同社の88％の損失について次のようにコメントした。

　物議を醸している薬価とヴァリアントの運営が公になった。

　その後、アックマンとヴァリアントの取締役会は前CEO

　　　マイク・ピアソン

を解任し、パーシング・スクエアはヴァリアントの全株式を売却し、総額40億ドルの損失を出した。

　2016年9月、パーシング スクエアは

　　　チポトレ・メキシカン・グリル

の株式 9.9% を購入し、ファストフードへの投資を継続した。

　2018年3月の時点で、パーシング・スクエアはチポトレの株式10.3%を保有していた。

　2018年、アックマンはパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの上場部門に、1株当たり約15ドルと大幅に過小評価されているとして5億ドルを投じた。

　2019年9月時点で、ファンドのリターンは54.5%、株価は19.10ドルで、2016年1月以来の最高値となった。

　新型コロナ感染が世界に拡大する2020年3月、パーシング・スクエアは市場の暴落に賭けて26億ドル（22億ポンド）を稼いだ。

　2020年11月、パーシング・スクエアは企業信用に反対する立場をとった。

　2022年4月、パーシング スクエアは 3 か月にわたる賭けの末、ネットフリックス(Netflix)で 4 億 3,000 万ドルを超える損失を出しました。[35]

　2023年8月、アックマン氏は、パーシング・スクエアが長期インフレ率が

　　　連邦準備制度理事会の目標

である2％よりも約100ポイント高い水準で落ち着くと予想し、国債を完全に空売りせず、オプションを通じて30年国債の空売りポジションを取ったと明らかにした。

　アックマンはイスラエル・ハマス戦争を巡る

　　　地政学的リスクと経済減速

を理由に3か月も経たないうちにポジションを決済し、その過程で2億ドルを獲得した。

　2020年6月、アックマン氏が率いるパーシング・スクエア・トンティン・ホールディングス（PSTH）は、史上最大の「ブランク・チェック・カンパニー」としても知られる特別目的買収会社のIPOのために40億ドルを申請した。

　2022年7月、アックマンはPSTHの株主に対し、「当社の投資基準を満たし、かつ実行可能な取引を完了することができない」ため、SPACの資金を返還すると明らかにした。

　2021年7月、パーシング・スクエアとその関連会社は

　　　ユニバーサル・ミュージック・グループ（UMG）

の株式資本の7.1％をビベンディから28 億米ドルで取得した。

　これはUMGの株式資本100％の企業価値350億ユーロに相当するもの 。

　2021年9月9日、パーシング・スクエアとその関連会社はUMGの株式資本の2.9%を11億5,000 万米ドルで取得した。

　これはUMGの株式資本100%の企業価値350億ユーロに相当する 。

　この取引後、パーシング・スクエアはUMGの株式資本の10％を保有した。

　2022年5月12日に UMG の非常勤取締役に任命された。

　　　

　2022年1月、アックマンはパーシング・スクエアが

　　　Netflix

の株式11億ドルを取得したことを明らかにした。

　Netflixの株価は、2022年第1四半期の期待はずれの加入者数増加見通しの発表を受けて、30％の急落を経験した直後であった。

　アックマン氏は投資家に宛てた書簡の中で、Netflixの「クラス最高の経営チーム」を賞賛し、NetflixのCEOであるリード・ヘイスティングスを長年尊敬していると述べた。

　そして4月にネットフリックスの株価は35％下落し、アックマン氏は同社の全株式を売却して対応した。

　
　2012年12月、アックマン氏は同社が減量・ビタミンサプリメントメーカー

　　　ハーバライフ

に対して10億ドルのショートベットをしたと発表したうえ同社を「ねずみ講」と指摘した。

　なお、アクティビストで億万長者の投資家カール・アイカーンが2013年1月に同社の株式を購入した後、株価は13%近く上昇していた。

　アナリストらはこの投資は同社による史上最悪の投資とみなされていた。

　アックマンと同社が資金提供した根強い政治的・草の根運動の後 、連邦取引委員会はハーバライフに対する民事調査を開始した。

　ハーバライフの株価は大幅に下落し、2014 年 3 月までにパーシング・スクエアの株価はほぼ互角となった。　

　2014年4月、ロイター通信は、その情報筋によると、FBIがハーバライフに対する調査を実施し、同社の元販売代理店から入手した文書を検討したと報じた。

　2015年3月、米国地方判事デール・フィッシャーは、同社が違法なねずみ講を運営していると主張するハーバライフ投資家らの訴訟を棄却した。

　2015年3月12日、同紙はアックマンが連邦検察とFBIの捜査を受けていると報じた。

　アックマン氏は、ハーバライフに対する主張を撤回するつもりはないと伝えられた。　

　
　2014年6月現在、パーシング スクエアは

　　　プラットフォーム スペシャルティ プロダクツ コーポレーション( NYSE : PAH )

の株式を保有する最大の機関投資家で、24.28% の株式を保有していた。

　パーシングは、プラットフォームがニューヨーク証券取引所にデビューした直後の2014 年 1 月に初めてこの立場を明らかにした。

　その後、2014年4月に、プラットフォームは

　　　Chemtura

の農薬事業を約10億ドルで買収する契約を発表した。

　別の農業用特殊化学品会社

　　　Agriphar

は、2014年8月にプラットフォームの傘下に加わる 3 番目の企業となることに同意した。

　パーシング・スクエア・トンティーン・ホールディングスは、ビル・アックマンによって設立された特別目的買収会社で、2020年7月22日に40億ドル相当で上場され、ワラントと株式の分割前はティッカーシンボルPSTH.Uで取引されていた。

　PSTH は現在、これまでで最大のIPO を行うSPACとなった。

　PSTH は、買収対象が見つかった場合、株主が合併を通じて株式を保有するよう奨励される独自の「トンティン」構造を採用している。

　このIPOには2億株が含まれ、合計2億株と22,222,222の新株予約権が含まれた。

　さらに、44,444,444個の新株予約権、または1株当たり9分の2が、提案されている合併への参加を選択した株主に分配される。

　PSTH ワラントの権利行使価格は 23 ドルと明らかにした。

　2022年7月にアックマン氏はPSTHの株主に対し、「われわれの投資基準を満たし、実行可能な取引を完了できない」ため、SPACの資金を返還すると明らかにした。