トランプ前米大統領は11月の大統領選で返り咲きを果たした場合、来年の政権発足後に
北大西洋条約機構(NATO)
の一部加盟国へのコミットメントを縮小することや、ウクライナにロシアとの戦争終了の交渉に入るよう求めることなどを検討していると、この事情に詳しい複数の関係者がメディアの取材で明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)
の一部加盟国へのコミットメントを縮小することや、ウクライナにロシアとの戦争終了の交渉に入るよう求めることなどを検討していると、この事情に詳しい複数の関係者がメディアの取材で明らかにした。
関係者からの話によれば、トランプ氏のアドバイザーらは可能性がある動きとして、NATOの集団的自衛権行使を規定する5条が適用されるのは国防費の目標を満たした国々にだけ適用するという、実質的に2層構造の同盟を協議している。
ただ、匿名を条件に語った関係者は、いかなる政策決定も取りまとめられていないと注意を呼びかけたうえ、目標未達の国々に新たな関税を課す案を提唱する声もあると伝えた。
ただ、匿名を条件に語った関係者は、いかなる政策決定も取りまとめられていないと注意を呼びかけたうえ、目標未達の国々に新たな関税を課す案を提唱する声もあると伝えた。
関係者の話では、トランプ氏のアドバイザーはこのほか、政権発足後の早い時期にウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領を交渉の席に着かせることも議論している。
トランプ氏がこうしたイニシアチブを実際に目指すことになれば、何十年にもわたる米国の政策をひっくり返し、冷戦以来の欧州の安全保障を形作ってきた
防衛同盟
をばらばらにするとともに、中国に対抗する上での米国のコミットメントを巡りアジアの同盟国の間に懸念を生じさせる。
防衛同盟
をばらばらにするとともに、中国に対抗する上での米国のコミットメントを巡りアジアの同盟国の間に懸念を生じさせる。
トランプ氏のアドバイザーの1人は
米国の軍事支援を打ち切る
ことにすればウクライナを交渉の席に着かせることにつながるが、一方で、米国の支援拡大の脅しはロシア側を促す可能性があると語った。
ラリー・クドロー、ロバート・オブライエン両氏らアドバイザーも、プーチン氏に圧力をかけるため、ロシア中央銀行に対する制裁強化を公に呼びかけている。
米国の軍事支援を打ち切る
ことにすればウクライナを交渉の席に着かせることにつながるが、一方で、米国の支援拡大の脅しはロシア側を促す可能性があると語った。
ラリー・クドロー、ロバート・オブライエン両氏らアドバイザーも、プーチン氏に圧力をかけるため、ロシア中央銀行に対する制裁強化を公に呼びかけている。
なお関係者によれば、民間人などが政府の許可がないまま外国と交渉するのを禁じる
ローガン法に抵触する恐れ
があることなどから、トランプ氏の陣営は現時点ではロシアないしウクライナの代理人との間で話し合いを行っていない。
ローガン法に抵触する恐れ
があることなどから、トランプ氏の陣営は現時点ではロシアないしウクライナの代理人との間で話し合いを行っていない。
トランプ氏が10日の選挙集会で、国防費のコミットメントを満たさないNATO加盟国に対しては、ロシアが好きなように侵攻するのに任せると在任中に欧州の首脳に語ったと明らかにしたことで、同氏とNATOとの間のかつての緊張関係があらためて浮上した。
バイデン米大統領と欧州の同盟国はトランプ氏の発言を非難した。
この事情に詳しい複数の関係者の話では、同氏が10日に言及したのはドイツの
メルケル首相(当時)
との会話の中での話で、トランプ氏は在任中、NATO加盟国に対し国防費を少なくとも国内総生産(GDP)の2%とするよう求めていた。
加盟31カ国のうち18カ国が今年、これを達成する見通しだ。
この事情に詳しい複数の関係者の話では、同氏が10日に言及したのはドイツの
メルケル首相(当時)
との会話の中での話で、トランプ氏は在任中、NATO加盟国に対し国防費を少なくとも国内総生産(GDP)の2%とするよう求めていた。
加盟31カ国のうち18カ国が今年、これを達成する見通しだ。