中国の気球8機が台湾との中間線越えており、そのうち 1日当たりで最多 1機は台湾上空で姿を消す奇異な行動

　台湾国防部（国防省）は10日、台湾海峡に設置され、中国からの軍事侵攻に対応するための防衛監視網としての、暗黙のライン「中間線」を9日に中国の気球8機が越えたと発表した。
　
　この飛来数は1日当たりでは過去最多となっており、台湾の防衛網の穴を確認する動きが活発化していることを意味する。
　このうち1機は台湾北部の上空を西から東に横断し、別の1機は台湾本島の上空で姿を消しており、ABC兵器搭載による落下範囲を確認する情報収集のひとつでもある。

　国防部によれば、台湾本島上空で姿を消した1機は9日午前8時に中部・台中の北西約65カイリ（約120キロ）、高度1万5000フィート（約4572メートル）に出現し、同9時52分に消失した。
　また、北部上空を横断した1機は同10時41分に台中の北西約55カイリ（約102キロ）、高度2万フィート（約6096メートル）で確認され、同日午後0時32分に東部海域で消失した。

　国防部は併せて、10日午前6時までの24時間に
　　　中国軍用機延べ5機
　　　軍艦延べ4隻
を台湾海峡周辺で確認したと明らかにした。
　台湾により確認された軍用機は戦闘機と無人機で、このうち2機が中間線とその延長線上を越えたとしており、軍事侵攻に無人機を多用する戦略の構築を目的とした情報の収集だろう。