ベストセラーとなった著書「ブラック・スワン」で2008年の金融危機を予言した
ナシーム・ニコラス・タレブ氏
は29日夜に自身が顧問を務めるヘッジファンド会社
ユニバーサ・インベストメンツ
のイベントで、米国の赤字は奇跡が起きなければダメージを修復できないレベルに膨張しつつあると述べた。
ナシーム・ニコラス・タレブ氏
は29日夜に自身が顧問を務めるヘッジファンド会社
ユニバーサ・インベストメンツ
のイベントで、米国の赤字は奇跡が起きなければダメージを修復できないレベルに膨張しつつあると述べた。
「議会が債務上限の適用先延ばしを続け、正しい行いがもたらす結果を恐れて合意を繰り返す限り、それが米国の政治的構造であり、いずれは債務スパイラルに陥る」と語り「債務スパイラルは死のスパイラルに似ている」と続けた。
タレブ氏は膨れ上がる債務負担を、想定外の「ブラック・スワン」よりも想定しやすい「ホワイト・スワン」と定義した。
市場で起こり得るサプライズは特定しなかったが、ホワイト・スワンには米国の赤字のほかに、これまでよりもはるかにショックに弱い経済が含まれると述べた。
市場で起こり得るサプライズは特定しなかったが、ホワイト・スワンには米国の赤字のほかに、これまでよりもはるかにショックに弱い経済が含まれると述べた。
それはグローバリゼーションによって世界の相互接続性が著しく高まり、ある地域の問題が世界中に波及するようになったからだという。
マイアミに本社を置くユニバーサは極端な景気悪化から投資家を保護するように設計されている、いわゆるテールリスク・ファンドにあたる。
同社が最大の利益を上げるのは、新型コロナウイルスのパンデミックに端を発した2020年3月のように、めったに起きないレベルの相場急落時だ。
タレブ氏自身は1987年に起きたブラックマンデーの暴落を切り抜け、2008年の金融危機を予測したことで知られる。
同社が最大の利益を上げるのは、新型コロナウイルスのパンデミックに端を発した2020年3月のように、めったに起きないレベルの相場急落時だ。
タレブ氏自身は1987年に起きたブラックマンデーの暴落を切り抜け、2008年の金融危機を予測したことで知られる。
米国の「スパイラル」は最終的にどうなるのかという質問に対し、タレブ氏は「外から何か入ってくるか、あるいは奇跡が必要になる」と答えた。
「それを思うと、西側世界の政治システム全体について暗たんたる気持ちになる」と同氏は語った。
ひとこと
大勢とは異なる方向に投資する姿勢も、時と場合によるバッチモンだ。
ひとこと
大勢とは異なる方向に投資する姿勢も、時と場合によるバッチモンだ。