ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、スイス東部で行われている世界経済フォーラムの年次総会
通称「ダボス会議」
で演説を行い「戦争は、公正で安定した平和で終わらせなければならない」と主張、一時的な
停戦ではなくロシアを敗北させること
が重要だと強調し、欧米側に支援の継続を訴えた。
「ダボス会議」にロシアによる軍事侵攻が始まって以降初めて対面で参加したゼレンスキー大統領は、ロシアのプーチン大統領を改めて強く非難した上で「私たちは彼を敗北させる必要がある。戦争は、公正で安定した平和で終わらせるというもっとも重要な問題に答えられるようにしなければならない」と述べ一時的な停戦ではなくロシアを敗北させることが重要だと強調した。
そして「ことしは決定的な年になるだろう」と述べ欧米側に軍事支援の継続を訴えました。
また、これまで欧米側からは「紛争のエスカレーションはだめだ」と何度も言われたことを明らかにした上で「その間に時間は失われ、多くの戦士が命を落とした」と述べ、ロシアへの過度な刺激を避けたい欧米側の対応が支援の遅れや抑制につながりロシアの侵攻を拡大させたと批判しました。
ゼレンスキー大統領としては、欧米側の「支援疲れ」も背景に一部でロシアとの停戦を促す意見が出ていることを念頭に政財界のリーダーが一堂に集まるダボスを訪れたとみられ、徹底抗戦を続ける姿勢に理解を求めた。
ひとこと
ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナだが、これまでもロシアのエネルギー企業への燃料の支払いを行わず、ウクライナ経由のパイプラインが緊急点検などとの名目で運転が止められるなどもあり、欧州からの意識としては全面的な信頼性はないのが現実だろう。