中国の習近平国家主席は、新年のメッセージで
経済の勢い
を強化して
雇用創出
を実現する方針を表明したうえ、一部の企業と国民にとって2023年は困難な年だったと説明し、中国が逆風にさらされていることを認めた。
新年のメッセージでは自らが主導している「中国の成果」を誇示する一方で、23年に「一部の企業は厳しい状況」にあり、「一部の国民は仕事を見つけて基本的なニーズを満たすことが難しかった」と指摘した。
習氏は12月31日のテレビ演説で、「景気回復の勢いを強固にし、着実かつ長期的な経済発展を達成するために努力する」と表明した。
政府の目標は「国民により良い生活を提供することに尽きる」と述べ、「子どもたちの養育と教育、若者の雇用と成功、高齢者の医療と介護」を挙げた。
政策当局者が成長を高め、危機的状態に陥っている不動産市場を安定させ、経済がデフレに陥るのを防ごうと取り組む中、中国は新年に極めて重要な時期を迎える。
中国政府は24年に再び5%前後の成長目標を掲げると予想されている。
しかし、下駄を履いた人為的な数値を膨らました問しても実現には障害が多すぎて比較対象の数字が高めとなるため、達成はより難しくなるだろう。
中国の不透明な政策決定で投資家の信頼感は損なわれ、海外の金利上昇が資本流出に拍車をかけている。
最近の新たなゲーム規制の動きでゲーム大手3社の時価総額が一時
計800億ドル(約11兆2800億円)相当
の信頼が失われた。
外国人投資家による中国株の購入額は年間ベースで過去最低を記録したことにも注目だ。
最近では中国経済の弱さをなる多くの兆候が出ており、国家統計局が12月31日発表した12月の製造業購買担当者指数(PMI)は49と、11月の49.4から低下して半年ぶりの低水準となった。
当局に景気刺激策を求める圧力が強まりそうだが、数値自体の信頼性は元々低いため、負のスパイラルにおいて効果が出る可能性は難しい。
景気拡大期においては、数値がより増加するため辻褄の修正も好感され、問題視はされてこなかった。
習主席は12月31日、国産旅客機「C919」や国産大型客船、宇宙開発、有人潜水艇、電気自動車を含むプロジェクトを挙げた。
中国の「製造能力」を誇示したが、上海閥やテクノクラートなどの権力基盤を破壊した影響もあり、過去と同じ轍に戻ることはない。
新年は、米国と台湾の選挙が新たな
地政学的リスク
をもたらすは必然視されている。
1月13日に行われる台湾総統選は、人口2300万人余りの台湾が中国の動きにどう対応するかを決める注目の選挙であり、中国政府の工作の力量が試される。
習氏は演説で台湾に言及し「祖国統一は歴史的必然であり、台湾海峡両岸の同胞は手を携え、民族復興の偉大な栄光を分かち合うべきだ」と述べた。