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2023年12月10日

OPECプラス減産は4月以降も継続が可能とサウジ・エネルギー相が主張


 サウジアラビアの
   アブドルアジズ・エネルギー相
は4日、リヤドでメディアとのインタビューで石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による減産は必要であれば来年3月を過ぎても
   「間違いなく」継続可能だ
と主張し、減産措置は完全に実施されると述べた。

 先週発表された日量200万バレルを超える供給削減は市場の状況を考慮した上で
   「段階的なアプローチ」
によってのみ撤回されると話した。
 なお、この供給削減の約半分はサウジアラビアが実施するとして価格誘導の旗を握る姿勢を示した。

 ただ、このインタビューの間に原油価格はOPECプラスの会合前の水準を下回り、ロンドンでは1バレル=78ドル近辺で取引されえいる。
 そもそも、市場関係者は
   削減幅の約半分しか新規の削減ではない
と指摘した上、約束された供給削減の全てが実現されるかどうかさら疑問視しており、原油相場は騰勢を取り戻していない。

 アブドルアジズ氏からは、自画自賛するかのごとく、価格設定の主導権をサウジが握っているとして、このような懐疑論者は間違っていることが証明されるだろうと主張したようだ。

 また、「日量220万バレルの減産が実現すると強く信じている」と発言。「正直なところ、例年通り第1四半期に在庫の積み増しがあったとしても、220万バレルの減産は実施できると考えている。需要が改善している兆候はすでにある」と語った。

 トレーダーがOPECプラスによる合意の真の影響を探ろうとしている。
 ただ、大きな疑問はウクライナへの軍事侵攻を行ったロシアが経済制裁を受け、火器弾薬類の消耗を埋めるため北朝鮮や中国、イランなどからの購入するための資金確保で原油や天然ガス、貴金属類を市場を通さずに売却する必要がある。
 ただ、ロシアの貢献は欧米の経済制裁で自校されている輸出抑制によるものであり、他のメンバー国のような完全な減産が出来ない環境にある。

 アブドルアジズ氏は、減産の方を望むがロシア側を説得できなかったと明らかにした。
 
 ロシア政府は以前から、極寒の天候やその他の地質学的条件が年初の数カ月に生産を抑制することを難しくしていると主張してきた。天然ガスや原油のパイプラインを止めれば、設備が凍結して使えなくなるためだ。

 同氏は「ロシアが冬に減産するのは非常に難しいことも認識している」と述べた。

 サウジがどのメンバー国よりも大幅な減産を行い、石油市場のリバランスに最大の努力を払っているにもかかわらず、サウジとロシアの信頼関係を強調して見せた。

 また、アラブ首長国連邦(UAE)にも同じ信頼を寄せていると語った。UAEは数年来、膨大な生産能力への投資を収益化するため、生産拡大の容認を求めてきていた。

 アブドルアジズ氏はOPECプラスによる合意へのUAEのコミットメントを問われると、「アラブ首長国連邦がやるべきことをしないだろうと考えていたら、この合意はなかっただろう」と答えた。 
 
  
ひところ
 
 イラン革命後に原油価格の設定の主導権がイランからサウジに移ったため、イランをOPECに戻したとしても、現在の地位を手放したくないのが本心だろう。
 そのため、国家収益の大部分が原油の売却で得ている国にとっては減産は社会の混乱を引き起こしかねない切実な問題がある。
 懐を減らすリスクを回避するためには、原油消費先を常に確保する必要がある原油生産国が多いのも実態だ。
  
    
posted by まねきねこ at 00:00| 愛知 | Comment(0) | イベント 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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