米連邦準備制度理事会(FRB)は19日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動がここ数週間は足踏み状態にあるとの認識を示し、雇用とインフレは減速し、与信が減ったと指摘した。
ベージュブックでは「全体的な経済活動はここ数週間にほとんど変わらなかった」と分析、「不確実性の高まりと流動性を巡る懸念を背景に、銀行が融資基準を厳格化したと指摘する地区連銀が数行あった」と記述された。
さらに「この期間に全般的な物価水準は緩やかに上昇したが、物価上昇率は鈍化したようだ」とのこと。
なお、今回の報告では、シリコンバレー銀行(SVB)破綻直前の3月8日に公表された前回のベージュブックよりもトーンが弱まっている。
今回のベージュブックは連邦公開市場委員会(FOMC)が次回5月2ー3日の会合で予想通り0.25ポイントの利上げを決定した後、利上げを休止するとの見方を強める公算が大きい。
また、3月のFOMC会合でFRBスタッフが示した予想であるリセッションに陥るとの懸念も強める可能性がある。
また、3月のFOMC会合でFRBスタッフが示した予想であるリセッションに陥るとの懸念も強める可能性がある。
米経済の3分の2を占める個人消費について、ベージュブックでは「総じて横ばい、ないし若干減少」と指摘したうえ、賃金は高止まりしたものの一部では鈍化も示しており、労働市場は逼迫緩和の兆候を示したと指摘した
今回の報告では12地区連銀が4月10日までに集めた情報をリッチモンド連銀がまとめた。
4月に入りSVB破綻が金融市場を混乱させた。
銀行セクター全体に悪影響が広がるとの懸念が強まって以来、初めてのベージュブックとなった。
4月に入りSVB破綻が金融市場を混乱させた。
銀行セクター全体に悪影響が広がるとの懸念が強まって以来、初めてのベージュブックとなった。
これらの懸念は、FRBなどの規制機関による緊急措置でここ数週間は弱まっており、金融当局は経済全体で与信状況が引き締まっていないかどうかを分析している。
なお、今回のベージュブックからは初期段階の影響がうかがえる。
なお、今回のベージュブックからは初期段階の影響がうかがえる。