相当な売り浴びせが起きる可能性

　　

　世界最大の上場ヘッジファンド運用会社、英国の
　　　マン・グループ
で新興市場債戦略の責任者
　　　ギレルモ・オッセス氏
はブルームバーグのインタビューで、「今後２カ月以内に売り浴びせが起きると、当社は見込んでいる」と明らかにし、「投資家はエクスポージャーを増やしてきた。恐らく上昇の大半は既に済んでいる。流動性の環境が反転しつつある中で、バリュエーションが極めてタイトな高リスク資産を大きくロングにしている状況だ。それが理由で、相当な売り浴びせが起きるとわれわれは考える」と続けた。
　
　また、マンのポジションや投資の推奨について、同社の方針だとしてコメントを控えた。

　同氏が運用する新興市場債ファンドのパフォーマンスは昨年、競合ファンドの99％に対して上回ったという。

　こうした弱気な見通しは、主として昨年10月遅く以降に見られる米財務省の現金残高減少に基づいているようだ。
　
　同氏はこれについて、大量の流動性注入を意味していると指摘し、投資家はそれを見過ごしていると続けた。

　財務省が米金融当局に預け入れている現金は昨年10月遅くから今年１月半ばにかけて約3490億ドル減少した。

　新興国市場に対するマンの弱気な見方は、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントやゴールドマン・サックスなどのファンドマネジャーの楽観的な見通しと対照的なもの。