米国のリセッション懸念が拭えず、欧州経済も停滞する中で、中国経済活動の再開は世界の景気を後押しする歓迎すべき材料となるのだが、リーマンショックによる落ち込みを受け、中国政府が4兆元(現在のレートで約77兆円)規模の大規模刺激策を打ち出し、世界経済が回復した2009年とは異なる。
米連邦準備制度など中央銀行がインフレ抑制を急いでいるタイミングで、物価の押し上げ方向にも働きそうな気掛かりな一面が見られる。
国際通貨基金(IMF)の
ゲオルギエワ専務理事
は1月、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で、「中国経済の成長加速という良いニュースが石油やガス価格の大幅上昇につながり、インフレ圧力を高めるとしたらどうするか」と問い掛けた。
中国の「ゼロコロナ」政策の急転換が恐らく今年の世界経済の成長にとって最も重要な要因だとの認識を示す一方、インフレに対する意味合いについても警鐘を鳴らした。