欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーでリトアニア銀行(中銀)のシムカス総裁は24日にビリニュスで行われたインタビューで、エネルギー価格が下落し総合インフレ率が過去最高水準から低下してはいるものの、ECBが昨年12月に明らかにした金利見通しから逸脱する論拠はないと発言したうえ、金融引き締めが夏の前に完了することはないかもしれないとの認識も示した。
また、労働者が賃上げを勝ち取り、コアインフレの圧力が依然強いことから、ECBは0.5ポイントの利上げを継続するべきだと主張した。
また、労働者が賃上げを勝ち取り、コアインフレの圧力が依然強いことから、ECBは0.5ポイントの利上げを継続するべきだと主張した。
「コアインフレは依然強く、インフレとの闘いが終わっていないことを浮き彫りにしている」とシムカス氏は述べ、「今後数回の会合で0.5ポイントの利上げを続けるとした現在の路線を維持すべき強い根拠がある。自分の見解では、0.5ポイントの利上げを実施すべきなのは明らかだ」と続けた。
総合インフレ率の低下で利上げペース減速が正当化されるかどうかを巡り、ECB政策委員の間の議論は拮抗している。
政策委員メンバーのパネッタ理事はドイツ紙ハンデルスブラットが24日公表したインタビューで、3月の会合では新たな経済予測が提示されて政策の再評価が必要になるため、同会合以降の金利動向について強い約束は避けるべきだと主張したうえ「2月より後のガイダンスは無条件ではない」と述べていた。
政策委員メンバーのパネッタ理事はドイツ紙ハンデルスブラットが24日公表したインタビューで、3月の会合では新たな経済予測が提示されて政策の再評価が必要になるため、同会合以降の金利動向について強い約束は避けるべきだと主張したうえ「2月より後のガイダンスは無条件ではない」と述べていた。
ただ、シムカス氏らタカ派が最近は議論を引っ張っており、今回のメディとのインタビューでシムカス氏は物価の伸びが高止まりする大きな理由の一つとして、賃金の上昇を指摘し、これが政策対応を必要にすると指摘した。
なお、インフレで可処分所得が目減りする一方、労働市場のひっ迫で立場を強めたユーロ圏の労働者は、賃上げ要求で攻勢に出ている。
なお、インフレで可処分所得が目減りする一方、労働市場のひっ迫で立場を強めたユーロ圏の労働者は、賃上げ要求で攻勢に出ている。
ECBの主要政策金利は年半ば頃までに3.5%近くになると市場では見込まれている。
シムカス氏はピーク金利の水準について臆測するのは時期尚早だとしており、「夏の前にそこへ到達する公算は小さいかもしれない」と語った。
シムカス氏はピーク金利の水準について臆測するのは時期尚早だとしており、「夏の前にそこへ到達する公算は小さいかもしれない」と語った。
一部のエコノミストが予測する年内の利下げについては、「可能性はあまりない」と述べた。