モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は米国株の今年のパフォーマンスは世界金融危機以降で最悪になるが、企業利益も金融危機時並みに悪化する見込みであると予想した。
迫りくる企業利益の不況は「2008−09年に匹敵するかもしれない」と指摘し、それが「大方の投資家が想定しているよりもはるかにひどい」株価の一段安を引き起こす可能性があると、顧客向けリポートで指摘した。
なお、「当社のアドバイスは、それが実際に起こるまでは市場が結果を織り込んだとは考えるな、というものだ」と続けた。
インフレは歴史的な高水準から後退し始めたが、米経済の軟化を示す最近の兆候は不安材料だとも論じた。
モルガン・スタンレーは23年の米企業利益を1株当たり180ドルと見積もる「弱気シナリオの予想」に傾いている。
アナリスト予想の平均では231ドル。
アナリスト予想の平均では231ドル。
現在、株価のバリュエーションは高いがリスクプレミアムが08年8月よりも低いことを踏まえると、S&P500種株価指数は来年、3000まで下落し得るとストラテジストは予想した。
これは16日終値から22%の下落になる。
これは16日終値から22%の下落になる。
ただ、ウィルソン氏はシステミックな金融リスクや住宅市場の変調は見込まず、従って株式相場が08年のように50%下げるとは考えていないという。
ウィルソン氏は業種別ではヘルスケアと生活必需品、公益をオーバーウエートとし、裁量的支出銘柄とハードウエア関連のテクノロジー株をアンダーウエートにしていると明らかにした。