中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は11日
香港の選挙制度見直し
を承認し、中国政府が「愛国者」による香港統治を主張し香港民主派の排除を狙った動きが露骨に出てきた。
共産党による統制の強化を狙った香港の選挙制度を抜本的に変える「草案」は賛成2895票、反対ゼロ、棄権1で採択された。
北京で5日開幕した全人代の議題とされたのはわずか1週間前のこと。
もともと、採択前に見直し案の全文は公表されてすらいなかったものだ。
これまで全人代が中国共産党指導部が示した議案を否決したことはない。
草案採択後、国営の新華社通信は選挙制度変更の内容を報道した。
香港立法会(議会)の議員定数を70人から90人に増やすことで民主派勢力の発言力を低下させる目論見だ。
議員候補の資格を厳しく審査する「委員会」が設けられ反党的な活動家は排除されるほか、行政長官候補を選ぶ選挙委員会は現行の1200人から1500人に拡大される。
ひとこと
民主的という題目にも見えるが、中国共産党系の大陸からの移民を増やすことで民主派の力を低下させる目論見があるようだ。