紅幇(ほんぱん)
中国の民間発祥の秘密結社
同時期に存在した「青幇」は大運河の水運業ギルドを派生根拠し反体制の活動を行っていた秘密結社とは一般的には対のようにいわれる。
ただ、「紅幇」は水運業などの「洪門(洪幇)」ではなく、白蓮教や天地会など宗教的な結びつきのある農民集団の影響を受けながら、清代18世紀に四川省で生まれた反体制派秘密結社の「哥老會」という一幇会とされる。
紅幇は、1851年に客家出身の宗教家
洪秀全
を天王とし、キリスト教の信仰を紐帯とした組織
太平天国
によって引き起こされた大規模な反乱(太平天国の乱)が発生した。
天候不順に伴う大規模な飢饉が広がったことでこの鎮圧に清朝が手を焼き各地で蜂起が発生し全土が大混乱となった。
1854年に退役軍人たちは清朝に対し処遇に不満を持ち山に立て篭もって山賊団を結成したことから「紅幇」が始った。
なお、青幇に比べて分散的な集合体で大きな政治力もなく規則も簡単で平等主義をとっていた。
主に湖南省から四川省にかけて勢力を張っていたものの、軍人等の集合体であり、はっきりとした拠点はなかった。
主に湖南省から四川省にかけて勢力を張っていたものの、軍人等の集合体であり、はっきりとした拠点はなかった。
幇会というのは相互扶助的な側面が強く、青幇と紅幇の両方に所属している者もいた。
1920年代には、その一部が軍資金を得るために阿片や売春など商売に力を入れていた。