伊努神社(いぬじんじゃ)
出雲国風土記、延喜式に載る古社
古きは伊努卿の卿社であったと言われている。
郡内58社中第6位に置かれ、大社町の阿受伎神社や、日御碕神社より社格が高かった。
伊努神社の位置は伊努卿の中心部にあり、伊努谷川の扇状地の扇頂付近に鎮座している。
また、東西に信仰圏を控え、峠を越すと鰐淵寺川の上流に出て日本海に通じ、南は低地に接する 「4通8達」の要衛にある。
ご祭神
*赤衾伊努意保須美比古佐倭氣命
穀霊の神
国引きをされた意美豆努命(八束水臣津野命)の御子
(創建にまつわる伝説)
赤衾伊努意保須美比古佐和気能命は国引きをされた意美豆努命(八束水臣津野命)の御子であり、この卿は今の東、西両林木町・日下町・矢尾町を含む地域を指す。
赤衾はイヌ(寝ぬ)の枕詞でオオヌシヒコ=大州見彦で大きな砂州を看視する男神を意味する。
サワケのサは接頭語でワケ=分けで分け掌るの意味だと解される。
つまり伊努の地の砂州の守護神が鎮座していることになる。
もともと北山山地の南斜面は急傾斜が多く、豪雨に見舞われた際、その度に山が抜け、大災害をもたらした。
地域に住む人々は災害地の急速な整地や次への予防のため神の保護を求め、そして有力者の出現を促しここに神社を祀ったと推察される。
場所 島根県出雲市西林木町376