ギュレン運動(ギュレン・ムーヴメント)
ギュレン教団、ヒズメット運動、もしくはヒズメット(奉仕)とも呼ばれる。
ギュレン運動は、1960年代末にトルコのイズミルで生まれた社会運動で、イマーム、説教者、作家である
フェトフッラー・ギュレン
の教えに共鳴した人々が参加している。
トルコの国内外での教育、トルコ文化の普及、宗教対話や貧困解決への支援が評価され、社会のさまざまな方面から支持されている。
一方、一部からは政教分離の脅威、政治的、経済的勢力とみなされ、批判されることもある。
このギュレン運動の活動は
このギュレン運動の活動は
「光の家」
として始まったものでジェマート財団と慈善会による支援を受けて中等学校の学生寮が開設された。
その後、初等・中等学校、デルスハーネ(予備校)、大学などの教育機関もつくられるようになった。
広報部が始動し、社会での認識が高まるにつれ、活動は宗教間の対話や社会的援助を目的としたワクフや慈善団体から病院、金融、保険機構などに移っていき、広く知られるようになった。
エルドアン政権時の2013年秋ごろから、政権内で組織された
「並行国家」
が教団の支持者でない人や彼らの敵を排除する目的で該当者の私生活の監視、録音や証拠捏造などを行ったとする陰謀論が唱えられ、訴追された。
フェトフッラー・ギュレン、弁護団やジャーナリスト・作家財団などはこれらの主張を否定した。
ただ、ギュレンに近いとされるヌレッティン・ヴェレン、アフメト・ケレシュ、セリム・チョラクル、ラティフ・エルドアンらがこれに関して証言した。
公正発展党 (AKP) とギュレン間の論争では主に「認識操作」や「ソーシャル・エンジニアリング」「諜報活動」「陰謀」「証拠捏造」「司法・警察の私有化」「独裁者」などの陰謀論が話題となることが多い。
2014年2月、エルドアン政権下で招集された国家安全保障評議会はギュレン運動と同じものとされる「並行国家」を名もなきトルコ国内の脅威と定めた。
ひとこと
宗教勢力の拡大の流れの中には、門徒すべき目的から社会奉仕が行われることが多い。