野村ホールディングスのトレーダー
ジョバンニ・ロンバルド氏
は不当に解雇されたとして野村を訴えているが、同社は13日、ロンドンの雇用裁判所に文書を提出した。
提出した文書で株式セールス責任者のシニアマネジャー
マイ ク・ウォード氏
は顧客として抱えていた
インベクスター・キャピタル・マネジメント
の破綻に際し、損失を回避する手だてを「なにもと らなかった」と指摘した。
この顧客のパフォーマンス悪化を上司に報告できず、同行が記録的な
トレーディング損失
を計上する一因を作ったとされるジョバンニ・ロンバルド氏について
「良く言って無能、悪く言えばペテン」
だとこき下ろした。
ウォード氏は、ロンバルド氏が恐らく来週証拠を提出し、顧客のトレードを監視するのは自分の責任ではないと主張するだろうと記述している。 その上で、「ロンバルド氏がインベクスターのトレーディング活動から重大な懸念を知らせるべきだったのにそれを怠った」と糾弾した。 なお、顧客のトレードを監視する義務はなかったという考えはまったく受け入れられないものであり、ロンバルド氏の役職ではそれこそが日常業務の中核的な部分だと主張した。
インベクスターは取引開始から1年程度しかたっていない2015年に破綻した。
なお、この破綻では世界的な大手銀行の数行に対して
合計約 1億2000万ポンド(約190億円)
の損失を負わせた。
このうち野村は4000万ドル(約44億円)以上の損失を被っており、ウォード氏によると単一の顧客で生じた損失としては創業以来最大となった。
なお、ロンバルド氏は野村から31万ポンド(約4800万円)の年俸を得ていたという。
ひとこと
一般的には担当であれば、相手の顧客の動きについては当然把握しているだろう。
ただ、対応するための能力がもともとない者を担当にするといった判断や投資額の規模に置ける上限を設定するなどのリスク管理の措置が必要だ。