明神(みょうじん)
日本の神仏習合における仏教的な神の称号の一つ。
古代においては神を指す名称としては、神社名を冠した「大神」という呼び方が一般的使われていた。
『続日本紀』天平二年(730年)10月29日条などに記録がある「名神」号は朝廷における社格制度として用いられていた。
天平三年(731年)の奥書を持つ
『住吉大社神代記』
で「明神」という言葉が文献上最初に現れた。
そこでは住吉大社の祭神である「底筒男命、中筒男命、表筒男命」の三柱を「住吉大明神」と記録している。
『門葉記』には貞観九年(869年)に成立した『壱道記』から引いたという形で、円仁が「伊勢大明神」や「春日大明神」などを十二支の「如法経守護神」として定めたという記述がある
引用でない記述は、『日本三代実録』仁和二年(886年)8月7日条にある「松尾大明神(松尾大社)」というものがある。
なお、10世紀には大明神号が使用されていたと考えられる。
特別に崇敬される神が明神もしくは大明神と呼ばれていたが両社に明確な区別はない。
特別に崇敬される神が明神もしくは大明神と呼ばれていたが両社に明確な区別はない。
その後本地垂迹説の勃興により、これら大明神が日本の民を救済するために現れた仏教の仏の化身であると考えられるようになった。
中世から近世にかけて、神が本来の名前で呼ばれることは少なくなり、神社名を冠した「明神」や「権現」で呼ばれる事が通常となった。
吉田神道では、神に対して「明神号」を授ける事が行われるようになった。