徳川美術館(名古屋市東区)は13日、館所蔵の
国宝「源氏物語絵巻」
を修理した過程で、光源氏が薫を抱く「柏木(三)」の名場面などから、描き直された痕跡を示す下絵が見つかったと発表した。
本図ではおくるみに包まれ眠る薫が、下絵の段階では顔を横向きにし両手を光源氏に向けて差し伸ばす愛らしい構図で描かれていた。
源氏物語絵巻は国内最古の絵巻物の一つといわれ、平安時代の12世紀前半、宮中絵師らが紫式部の「源氏物語」を絵画化したもので、絵と本文を抜粋した詞書 (ことばがき)から成る。
現存するのは徳川美術館蔵の43面(うち絵は15面)と東京・五島美術館蔵の13面(同4面)でいずれも国宝に指定されている。
同館で14日から10年ぶりに国宝全56面を一挙公開する「国宝 源氏物語絵巻」展で紹介される。
紙の亀裂や絵の具の剥落など傷みが激しく、徳川美術館は国の補助金で2012年度から保存修理を進めていた。
紙の亀裂や絵の具の剥落など傷みが激しく、徳川美術館は国の補助金で2012年度から保存修理を進めていた。
下絵の存在は以前化rあ指摘されており、修理の途中、絵の裏紙をはがして裏面から透過赤外線写真などを実施したところ、「柏木(二)(三)」のほか、女房2人を描いた「竹河(二)」の3面で顔の位置など構図の変更が発見された。