神 宮
奈良時代に成立した日本の歴史書である
日本書紀
では、伊勢神宮と石上神宮のみが「神宮」と記載されていた。
日本書紀は日本に伝存する最古の正史で、神代から持統天皇の時代までを扱った六国史の第一にあたり、舎人親王らの撰で、養老4年(720年)に完成した。
漢文・編年体をとり全30巻と系図1巻が付属した。
平安時代に成立した
延喜式神名帳
では、石上神宮に代わり鹿島神宮と香取神宮が「神宮」と記載された。
なお、江戸時代まで「神宮」を社号とする神社は、この3社のみであった。
明治以降、天皇、皇室の祖先神や大和平定に功績のある特定の神を祭神とする神社の一部が、社号を「神社」から「神宮」に改めた。
第二次世界大戦終戦までは、「神宮」の社号を名乗るためには勅許が必要とされた。
戦後は神社の国家管理は廃止され、「神宮」号を名乗る際に勅許は不要となった。
なお、現在でもなお神社本庁傘下において、「神宮」を公式な社号として名乗る神社は特別の由緒を持つものに限られている。
神社本庁に属する神社で「神宮」号を公式に称したのは、神社本庁の特別な承認を受けて改称した北海道神宮(旧札幌神社・北海道)、伊弉諾神宮(旧伊弉諾神社・兵庫県)、英彦山神宮(旧英彦山神社・福岡県)の3社のみ。
神社本庁に属さないところは神社本庁からは独立しており「神宮」号を称した新日吉神宮や山辺神宮の例もある。
神社本庁に属していても、通称として「神宮」号を冠する神社(河尻神宮・西岡神宮など)もある。
伊勢神宮(皇大神宮)の祭神天照大神を分霊し「大神宮」「皇大神宮」と名乗る神社は全国各地にある。