100年前に起きたオスマン帝国軍によるアルメニア人約150万人の虐殺の犠牲者を追悼する式典が24日、アルメニアの首都エレバン(Yerevan)で行われた。
フランスやロシアなど約60か国の首脳や外交官らが出席した。
しかしエレバンの丘の上で行われた記念式典では、アルメニア人虐殺が現在も外交上の「地雷原」であることが垣間見えた。
フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、オスマン帝国の後継国家であるトルコに対し、アルメニア人虐殺を「ジェノサイド(集団虐殺)」として認めることを拒否するのをやめるよう呼び掛け、被害者の冥福を祈ると述べた。
また、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、旧ソ連諸国の一つで現在最も近しい同盟国でもあるアルメニアの側にロシアは立っていると述べた。
またロシアがジェノサイド条約(Genocide Convention)の締約国であることにも触れ「大量殺りくを正当化することはできないし、正当化する理由もない」と語った。
プーチン大統領のこの発言にトルコは憤怒し、外務省がプーチン氏を非難するに至った。
さらにプーチン氏はこの式典の機会を利用してフランスに対し、ウクライナ問題によってこの1年間続いてきた緊張関係の修復を呼び掛け、国際的孤立状態から脱出したがっていることをうかがわせた。
ひとこと
国家戦略としての外交や戦争で歴史が作られてきた。巨大なトルコ帝国の権益を狙った欧州列強の思惑でトルコ帝国は崩壊し、サウジアラビア、エジプトなど中東各国が出来上がり、国境は植民地支配を目論んだ英国やフランス等の思惑通りに地図に定規で線引きがされたている。
民族の多くが遊牧民であり、国境は意味をなさないものだが、石油利権等から西欧には意味があるものだ。
火薬庫となっている中東だが、サウジなどは国家の成り立ちが影響して民主的な国家とは呼べない宗教国家だが、権益に目をつぶり支援する欧米の姿がそこにある。