英国の科学者チームは2日、汗をかくほど良い香りが漂い、その上、体臭を軽減する効果もある世界初の香水を開発したと発表した。
新開発の香水は「湿気と接触すると芳香を放出する」と、英クイーンズ大学ベルファスト校(Queen's University Belfast)の研究チームは声明で述べている。
この香水には、液体状の塩(えん)である、無臭の「イオン液体」が用いられており、これが芳香を伝達する働きをする。
同大のイオン液体研究所によると「芳香成分を含ませたイオン液体は、水分と接触すると香りを放出するため、香水の芳香をより多く皮膚上に放出させることができる」という。
この最新の香水では、嫌な臭いも取り除くことができるかもしれない。
研究チームは「汗のいやな臭いの原因となるチオール化合物が、香水のイオン液体に引き付けられて付着し、その効力を失うため」と説明する。
クイーンズ大はすでに香水会社と連携して実用化を進めているとされる。プロジェクトを率いるニマル・グナラトナ(Nimal Gunaratne)氏は、この香水の「商業面での可能性は大きい」と期待を寄せる。
今回の研究について同氏は、物質を持続的に放出する必要がある他の科学的応用分野にも活用できる可能性があるとしながら「これは胸躍る革新的発明だ」と述べている。