ハーヴェイ・"クリス"・ローゼンバーグ(Harvey "Chris" Rosenberg) ガンビーノ一家の構成員ロイ・デメオが率いるデメオ一味のメンバー

ハーヴェイ・"クリス"・ローゼンバーグ

　　　　　　　(Harvey "Chris" Rosenberg)

　　　1950年10月6日

　　　　　　ー1979年5月11日

　クリス・デメオおよびクリストファー・ロザリアとしても知られる米国のギャングスター

　NYのガンビーノ一家の構成員ロイ・デメオが率いるデメオ一味のメンバーであった。

　このギャング団では、1970年代半ばから1980年代初頭にかけて75 〜 200件の殺人依頼を受け実行した疑いがある。

　ローゼンバーグが盗んだキューバの麻薬カルテルとの麻薬取引が失敗した後、デメオはその償いとしてローゼンバーグを殺害した。

　イタリア系米国人が多数を占めるカナーシー地区で育った。

　ブルックリンのイースト・フラットブッシュにあるサミュエル・J・ティルデン高校に通った。

　マフィアの規則では完全なイタリア人のみが組織になれるが正式に組織に加わることができるが、ローゼンバーグは自分の

　　　稼ぐ能力

　　　殺人意欲

が最終的にはコーザ・ノストラのメンバーになるかもしれないと信じていたと伝えられている。

　伝えられた情報で、彼は自分のユダヤ人の姓が気に入らず、人々が彼のことを代わりに「クリス・デメオ」と呼ぶことを好んだという。

　
　ローゼンバーグの犯罪歴は 13 歳でマリファナの取引を始めたときに始まる。

　最初の逮捕は1970年の自動車盗難で、当初は重罪であったが軽罪に減軽され、懲役刑ではなく執行猶予が与えられた。

　彼は1971年に麻薬ハシシの所持で再び逮捕された。

　1972年には除雪車の窃盗未遂で再び逮捕されたものの、両方の訴訟は却下されている。

　
　1966年にカナーシーのガソリンスタンドでロイ・デメオに初めて会ったとき、ローゼンバーグは少量のマリファナとハシシを扱っていた。

　デメオはクリスを雇って車を盗み、その車はデメオがカナシーのジャンクヤード内で持っていたコネを使って売り飛ばされた。

　ローゼンバーグはまた、デメオの家での家族のバーベキューや集まりでデメオと社交的に交流した最初の構成員でもあった。

　ローゼンバーグは、熟達した車の能力と駆け出しの麻薬ビジネスのおかげで成功した。

　自分の自動車店Car Phobia Repairsを開店し、そこはすぐに盗難車の集積場になった。

　1972年までに、ローゼンバーグは友人に車を盗ませた。

　これらの友人のうちの2人は双子座の双子、ジョセフ・テスタとアンソニー・センターで、ローゼンバーグがデメオに紹介した。

　デメオ一味の構成員として2人の中心メンバーとなる。

　テスタとセンターはどちらも純血のイタリア人で、10代の頃からローゼンバーグのことは知っていた。

　
　1974年までに、23歳のローゼンバーグは再びデメオの支援を受けてコカインとクアルードの販売を始めた。

　彼は薬剤師のつながりを通じて鎮痛剤クアルードと、当時医療目的で処方可能だったコカインを入手した。

　この薬剤師を通じて、クリス・ローゼンバーグと残りの初期デメオ構成員は、最初の殺人被害者のアンドレイ・カッツ(当時　22歳)に出会った。カッツが構成員から購入した車両の盗難で逮捕されたとき、彼は自分の窮状の責任をローゼンバーグに転嫁して責めた。

　この状況はすぐに暴力にエスカレートし、カッツは車から引きずり出されたうえ2人の男に激しく殴打されて病院に入れられた。

　アンドレイの弟ビクターは後に法廷で、アンドレイが二人の男はテスタとセンターであると明かしたと証言した。

　ビクターはまた、アンドレイがまだ病院で怪我から回復している間、クリスたちに復讐すると弟に誓ったと証言した。

　この復讐は1974年11月13日に行われ、ローゼンバーグがガレージのドアを開けたところ、自動小銃の射撃で3発の銃弾を受けた。

　ローゼンバーグはまったくの幸運で生き残ったが、1発は下顎に命中し、もう1発は右腕に命中した。

　胸を狙った3発目はかすめ飛ばされただけだった。

　ローゼンバーグさんは致命傷となるはずだった銃撃を生き延びたうえ激怒したと伝えられている。

　彼の顎は銃弾の傷で変形したままだった。

　再建手術を受けたにもかかわらず、この攻撃による傷跡を隠すためローゼンバーグはひげを生やした。

　その朝、ローゼンバーグを撃った男は姿が確認できていないものの、ローゼンバーグと残りのデメオの組員はアンドレイ・カッツであると推測した。

　この事件の後、ローゼンバーグがまだ病院で銃撃による傷から回復している間に、デメオは支持者たちと会い、カッツは殺害されるべきであると決定された。

　すでに起こっていた暴力を考慮して、カッツと直接対応するにはリスクが大きすぎると考えた。

　クリスが撃たれた直後に組員と関係を持った

　　　ヘンリー・ボレッリ

は、アンドレイを誘拐して慎重に対処できる場所へおびき出そうと彼の女性の友人を利用することを提案した。

　デートに連れ出そうと期待して女性のアパートに到着したアンドレイは、ローゼンバーグ、ボレッリ、テスタ、ゼンターらに強制的に拉致され、デメオが待っていた食料品店の精肉売り場に連れて行かれた。

　デメオの組員が殺人と切断に関与したことが初めて知られたのは、1975年6月13日金曜日の夜である。

　この事件に関する直接の報告は入手できないものの、数年後に政府に協力した組員によって提供された情報とアンドレイ・カッツの遺体は、事件を再現するために法執行機関と作家

　　　ジェリー・カペシ

によって使われた手がかりを提供した

　カッツは肉切り包丁で心臓を複数回刺された。

　これは顔を傷つけた銃撃への復讐としてローゼンバーグ氏によって行われたものと見られる。

　カッツはすでに死亡していた後、おそらくローゼンバーグによって再び背中を十数回刺された。

　その後、カッツの遺体は衣服を剥ぎ取られ、おそらく元肉屋見習いのデメオとテスタによって解体された。

　死体の首が切断された後、ローゼンバーグが、通常は段ボール箱を圧縮するために使用される機械で頭部を押しつぶした。

　遺体に損傷があったため、犠牲者がカッツであることを確実に特定するには歯科記録を使用する必要があった。

　ヘンリー・ボレリの友人の女性は、カッツ殺害のことを知るとすぐに自分の役割を告白した。

　ただ、告白でもローゼンバーグを特定することはできなかったがボレッリとテスタは逮捕され、裁判を待つ間数か月間刑務所で過ごした。

　彼らは1976年1月に無罪を獲得したが、1980年代後半に連邦/州の特別部隊がデメオの組員を標的にしたとき、この事件は生き残った組員を悩ませることになる。

　ガンビーノ家のデメオの上司アンソニー・ガッジの甥

　　　ドミニク・モンティリオ

は後に、殺人事件が起こった直後にローゼンバーグからそのことを知ったと証言した。

　また、ローゼンバーグ氏が、カッツ氏殺害の手法からデメオ氏とその組員は、今後の紛争も同様の解体方法で解決し

　　　被害者を失踪させること

を決断させたとローゼンバーグ氏が主張したと証言した。

　
　1970年代において、ローゼンバーグは他のデメオ組員とともにさらに多くの殺人を犯した。

　被害者には情報提供者とされる人物や、デメオとその関係者らが殺害を請け負った他の暴力団員も含まれていた。

　アンソニー・ガッジへの上納金を受け取るために頻繁にデメオを訪れた

　　　ドミニク・モンティリオ

はインタビューで、組員が少なくとも週に3人を殺さなければ、彼らは落ち込むだろうと語っていた。

　射殺され放置された者もいたが、乗組員による殺人の大部分は「ジェミニ法」として知られるようになった手法に従って殺人が行われた主な場所がジェミニ・ラウンジであったことからそう名付けられた。 1970 年代後半の大部分を通じて、デメオ乗組員の本拠地でした。

ジェミニ法は通常、被害者が乗組員によって「クラブハウス」と呼ばれるラウンジの裏にあるアパートに入るというものであった。

　この時点で、組員（組員から政府証人になったフレデリック・ディノームによると、ほぼ常にロイ・デメオ）は

　　　消音器付きのピストル

を持って被害者に近づき、頭を撃ち抜き、その後、血が飛び出すのを防ぐためターバンのように頭の傷口にタオルを巻きつける。その直後、別の組員が銃撃による傷からの血液の流出を防ぐために被害者の心臓を刺した。

　通常であれば、その時までに被害者は死んでおり、その時点で死体は浴槽に引きずり込まれ、短時間その上に吊るされる。

　これは、死体から血を流し、残った血液を凝固させ、次のステップである犠牲者の切断を可能な限りきれいにするためであった。

　体の一部は袋に入れられ、箱詰めされてから、ブルックリンのファウンテンアベニューのゴミ捨て場などに送られたという。

　政府証人となった組員らは全員、ローゼンバーグ氏が生存していた期間中、頭を撃たれた被害者を刺した乗組員は常に彼だったと主張した。

　これらの同じ証人はまた、ローゼンバーグは着ていた高価な服を汚すのを避けるために、通常、ボクサーパンツや下着を着たまま刺し、その後の遺体の切断を行ったと主張した。

乗　

　組員によって殺害された他の被害者は、遺体が殺害された場所に放置されるか、近くの場所に遺棄された。

　彼らはさまざまな理由で殺害され、通常は法執行機関との協力や、ローゼンバーグが70年代半ばから後半まで深く関与していた麻薬取引に関与していた。

　被害者の1人であるケビン・ゲリは、ローゼンバーグ氏が入手できたとゲリ氏が主張する顧客に売りつけるためにコカインが与えられていた。ローゼンバーグ氏が販売用の麻薬を渡した直後に支払いを要求した。

　金を支払うことなくゲリ氏は誰かが自分の家に強盗を入れて製品を盗んだと主張した。

　ローゼンバーグ氏はその場で彼を射殺した。

　マリファナ取引でローゼンバーグから金をだまし取ろうとしたとみられる別の男も射殺され、車のトランクに投げ込まれているのが発見された。

　1970年代後半までに、ローゼンバーグはデメオ クルーとのビジネスだけでなく麻薬取引にも継続的に関与した。

　この水揚げで裕福なライフスタイルを手に入れていた。

　彼は裕福な地域に住んでおり、仕事以外の時間はパイロットの免許取得のための訓練を受けていた。

　また、ピッツェリアやボディショップなど、多くのビジネスを所有した。

　彼はコロンビアからのマリファナの輸入や大量のコカインの取引など、麻薬密売に深く関与した。

　ロイ・デメオの副司令官であり、麻薬取引を行う際には自分自身を「クリス・デメオ」と呼ぶこともあった。

　1979年に彼はフロリダを訪れ、借金を返済するために麻薬ビジネスに参入したロイ・デメオのローンシャーク顧客

　　　チャールズ・パドニック

とコカイン取引を成立させた。こ

　チャールズ・パドニックは、ウィリアム・セラーノという名前のキューバ人男性と知り合いあった。

　セラーノは、「ペポン」と「エル・ネグロ」としてのみ知られるキューバの麻薬商人2人とつながりを持っていた。

　彼はパドニックから、イタリア人のグループが大量のコカインの購入に興味を持っていると知らされた。

　クリス・デメオと名乗ったローゼンバーグと面会した後、セラーノはキューバ人の仲間にその旨を告げて取引が成立した。

　しかし、ローゼンバーグはセラーノの麻薬供給源について知らされていなかった。

　チャールズ・パドニック氏とウィリアム・セラーノ氏、そしてセラーノ氏のキューバ麻薬関連会社

　　　エル・ネグロ

のいとこでガールフレンドからなる４人組は、取引を促進するためニューヨークに飛んだ。

　着陸から数時間以内に、彼らはローゼンバーグとデメオ組員の他のメンバーによって射殺され、バラバラにされて処分された。

　同じ夜、ローゼンバーグは手と側頭部に銃創を負って病院を訪れ、グループが殺害される前に反撃を試みた可能性があることを示唆した。

　謎の「エル・ネグロ」はその夜、いとこやガールフレンドから売却が完了したことを確認する電話を受け取らなかった。

　より詳しい情報を得るためにチャールズ・パドニックの息子ジェイミーに連絡を取った。

　ジェイミー・パドニックもその直後にニューヨークに飛び、ローゼンバーグと仲間の組員によって殺害され、バラバラにされた。

　その後、行方不明となった。

　エル・ネグロにとって入手可能な情報はニューヨーク市の位置と「クリス・デメオ」という名前だけだった。

　キューバ人たちは現地の連絡先に問い合わせをさせ、最終的に事態はロイ・デメオとガンビーノ一家につながった。

　デメオの上官アンソニー・ガッジの甥である

　　　ドミニク・モンティリオ

は1983年に政府証人となり、ニューヨークのキューバ人とガンビーノの間でメッセージをやり取りする責任を負っていたと主張した。

　「エル・ネグロ」は、クリス・ローゼンバーグ氏が殺害された場合、さらなる紛争は起こらないと約束している。

　この殺人事件は新聞に載る必要があり、そうでなければ彼らはそれが実際に起こったとは信じないと主張した。

　上層部からローゼンバーグを殺害するように命令された後、デメオはローゼンバーグとの親密な関係が原因で数週間停滞したと伝えられている。

　ガンビーノ側が一定期間何もしなかった後、キューバの麻薬王はアサシンをニューヨークに派遣し、ローゼンバーグをすぐに殺害しなければ暴力を振るうと脅した。

　ガンビーノ家とキューバのカルテルとの間のこの状況の中で、デメオは男性をキューバの暗殺者と間違えた後、最も公の場での殺人を犯した。

　被害者のドミニク・ラグッチは実際には掃除機の訪問販売で大学の学費を稼いでいた19歳だった。

　ラグッチが家の前に駐車しているのを見たデメオは、彼をキューバ人の殺し屋と勘違いした。

　カーチェイスでその青年を追いかけ、車が損傷しすぎて運転を続けることができなくなったラグッチはデメオによって射殺された。

　この後、アンソニー・ガッジはデメオと会い、これ以上無実の犠牲者が出る前に失速をやめてローゼンバーグを殺害するよう命じた。

　
　ローゼンバーグ氏はキューバ情勢についてまったく知らされていなかったため、自分の命が危険にさらされているという兆候はなかった。

　1979年5月11日、彼はデメオと組員との夜の定例会議に出席した。

　デメオ容疑者は同僚らとテーブルに座っていると、テーブルの上に置かれていた茶色のバッグから拳銃を取り出し、ローゼンバーグ容疑者の頭を撃ち、負傷はさせたが死亡には至らなかった。

　ローゼンバーグが床から立ち上がって片膝をついたとき、アンソニー・センターは立ち上がってローゼンバーグの頭をさらに4発撃った。

　その後、ローゼンバーグの遺体は車に乗せられ、ニューヨーク市のゲートウェイ国立保養地近くの路上に駐車されたまま放置された。

　その後、組員のフレデリック・ディノームが車両の横を通り、ヘンリー・ボレリが機関銃で車両を掃討した。

　この殺人が地元新聞で取り上げられるほどあからさまな暗殺であることを確認された。

　これによりキューバ側に「殺害の証拠」が与えられ、状況は沈静化した。

　目撃者らは、その後何年もの間、デメオはローゼンバーグを殺さなければならなかったという心からの後悔を表明したと主張している。

　デメオ組員のメンバーはローゼンバーグ殺害の容疑者だった。しかし、彼らを起訴するのに十分な証拠はなかった。

　数年後、政府の協力証人が乗組員の活動に関する大量の情報を提供した。

　そのため、この殺人は1984年の生き残った組員に対する起訴の他の多くの容疑の一つとなった。

　1988年の裁判では、ドミニク・モンティリオとヴィト・アレナが、デメオの組員の残党とローゼンバーグ殺害を結びつける証言を行った。

　1989年、被告はすべての容疑で有罪判決を受け、デメオの組員の中核メンバーで殺害もすでに投獄もされていない唯一の

　　　ジョゼフ・テスタとアンソニー・センター

には終身刑が言い渡された。